女として生まれた俺は男として生きることになりました 弐

そんな所も好きだから。 ページ47

『あー...なんかごめんね。みっともなく泣いちゃって。』





善逸｢気にするなって。羚凰はここぞって時にしか泣かないじゃんか。

俺を見てご覧なさいよ！毎日汚く叫んでべそべそ泣いてるのに。｣





『いや、そこは自慢するところじゃないでしょうが...
っていうか自覚あったのね...



でも善逸は善逸で、そうしないとダメな理由があったんじゃないかなって思うんだよね。

私の勝手な想像だけど、善逸は嫌な音を聞きたくなくて騒ぐんじゃないかなって。

私は音こそ聞こえないけど、今善逸の周りにいる人が悪い人たちじゃないのはちゃんとわかる。それでも今もするのは、昔のくせが抜けないっていうのもあるけど、怖いからじゃないの？




私は騒いでる善逸を見てても全然不快に思ったりなんてしないよ。


過去にそういうことがあったって、今の善逸はちゃんと前を向いてるし、曲がったりなんかせずに素直で優しくなってるじゃん。
それって善逸が厳しい環境の中でそれに呑まれずに、自分の意思で培ってきたものだもん。


だから善逸は間違ってなんてないよ。
騒いだって泣いたって、私は善逸がずっと好きだよ。』






善逸｢そう、かもしれない。ずっとずっと俺に向けられる音はいいもんじゃなかったし。

羚凰と話してるとさ、俺がやってきたことって無駄じゃなかったんだなって思えるんだ。こんな俺でも期待してくれるんだなって感じられるんだ。



あ〜もう！こんなとこで泣かせんなよな！！


じゃあ約束！！辛くなったら言うこと！困ったら頼ること！｣






『約束するよ。絶対言う！』





善逸｢よし、じゃあ宿探そうか！｣




『おー！』

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