思い溢れる ページ43
僧「元来北龍の一族に伝わる伝説と普通では有り得ない容姿と能力...それらが合わさって後に先祖返りと呼ばれるようになった。
地域の皆は口々に褒めたたえ、敬っておったそうじゃ。先祖返りはこの辺り一帯の守り神にほかならなかった...龍の血族と祭り上げられた北龍の一族は伝統を大変重んじるようになった。
先祖返りが生まれる前には必ず分家に白銀の髪のみを持つ女子が生まれ、その女子と本家の長男との間に子ができるとその子が先祖返りとなる。
君の母君も同じような髪を持っておったろう。」
『は、い...。』
怖いどんどん''分からない''が繋がっていく。
私の知らない世界が広がっていく。
僧「昔から先祖返りは人々を救ってきた。水害、天災、不作や戦.....だから皆、先祖返りが生まれるのを心待ちにしていたんじゃよ。
その矢先に生まれたのがお主じゃ。お主は特殊で...他の先祖返りと性別が違った。」
結局そこに行き着くのか。
結局私は、そこに縛られなきゃいけないのか。
お腹の底からふつふつと怒りが湧いてきた。
止めなきゃ。この人に言ったって変わらないよ。
そんなの痛いほどわかってる。
でも言葉っていうのは不思議なもので、出てきて欲しくない時もするりと防波堤を越えて出てきてしまうのだ。
『そんな、そんなことのために母さんはっ!責められなきゃいけなかったんですか!?私はっ、長い間閉じ込められて!
私も!母さんも!!父さんも!!!
あんなに苦しんだのにっ!!!!!』
静かで荘厳な寺の境内に私の声が木霊した。
喉が痛くなるほど叫ぶなんて何時ぶりだろう。
まただ。この話題になると涙が止まらなくなる。
普段なら抑えられる感情が抑え込めなくなる。
僧「儂らは代々北龍の一族の資料を保管し、その伝説とも言える話を語り継いでおる。そんな儂らだって言ってやったわい。
女子だからといって先祖返りの質が違うわけではないやもしれん。この子が育って能力が出るまではせめてそっとしておいてやれ、と。
それでも北龍の一族は古い考えを持っている人が多くての...聞き入れてもらえなんだ。
特にお主の父方の叔母にあたる人たちと祖母にあたる人はキツい性格の方でな...
お主の母親は、お主を守ろうとしたんじゃよ。本家の人間から。お主の叔母や祖母は頻りにお主を引き渡せとせがんでおった。
母親がお主を閉じ込めなければ...わかるな?もっと辛いことがお主を待っていたんじゃよ。」
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ロマネスコ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます!一応一週間に一回定期更新していますが、書ける時書けない時があるので長い目で見ていただければ幸いです(*^^*) (2020年8月31日 15時) (レス) id: 87cf8bc382 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 気になるぅぅ!応援してます! (2020年8月30日 20時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 説明文(?)の所に善逸オチとかいてありました。ちゃんと見ずに質問してしまってすみません!!失礼しました。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 質問です!こちらの作品は宇髄さんオチですか?? (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロマネスコ | 作成日時:2020年3月31日 21時