3年前の真実 ページ5
『がはっっ…!』
先輩を抱えて思い切り地面を蹴ったけれど、ざっくりと背中を大きく切られてボタボタと紅が地面に滴る。
「北龍!」
とてつもなく痛い。そして…同時に''ある物''まで一緒に切れてしまった感覚がある。
胸あたりの異常な開放感…
サラシが───切られた。
鬼「お前女だったのかぁ…へぇ。」
『違う!!俺は、女じゃない!鬼殺隊の北龍羚凰だ!』
鬼「北龍…きたきみ……そうか、お前が北龍かぁ!!!!
俺はなぁ、ずうっとお前を探してたんだよ。あの御方の命令でなぁ!!!!確かに、よくよく見れば白銀の紙に翡翠の瞳…こりゃあ間違いねぇ!」
『どういう、ことだ…?無惨が、俺を探してる?』
鬼「そうだ。3年前のあの日だって、俺はお前を見つけにわざわざお前の村に行った!
お前の家は知ってたからなぁ…反対側で騒ぎを起こしてそっちに注意を向けている間に掻っ攫うって算段だったのによぉ…あの柱が邪魔しやがって!!!!
まぁお前に手下の雑魚鬼はやられたが…あいつもお前を捕らえろって言ったのに殺そうとしてたからそのへんはもういい…
お前を捕らえてあの方にもっと血を分けていただくのだ!!!!」
3年前、俺の村を襲ったのは…俺を探すため。
3年前、みんなが死んだのは、俺がいたから。
3年前、父さんと母さんが死んだのは…
俺のせい。
俺が、殺 したんだ。
『あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
鬼「そうだ!!絶望しろぉ!!!!もっといい顔見せてくれやぁ!!!!」
頭の中で、何かが壊れた音がした。
これまで積み上げた全てが、崩れていく音がした。
あぁ、ごめんなさい。
やっぱり止められてもあの日死んでおくべきだった。
こうしてまた色んな人を危険に晒している。
此奴らを倒して、俺も、俺も向こうに…あの世へ行こう。
サラシが無くなった今、未だ嘗て無いほどに深く呼吸ができる。
今こそあの型を使おう。
修行中身体への負担が大きすぎて使えなかったあの型も、後に希望のない今なら使える。
『先輩。色々黙っていてごめんなさい。
俺は、今からこいつらを倒して……。
あとは任せました。師範に…ごめんなさい。ありがとうございましたと、伝えてください。』
「北龍ダメだ!行くな!」
「今増援を呼んだ!!!!あと少し耐えよう!諦めるなよ!」
『この鬼は…俺の仇でもあります。
自分の尻は自分で拭います。下がっていてください。短い間でしたが、お世話になりました。』
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ロマネスコ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます!一応一週間に一回定期更新していますが、書ける時書けない時があるので長い目で見ていただければ幸いです(*^^*) (2020年8月31日 15時) (レス) id: 87cf8bc382 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 気になるぅぅ!応援してます! (2020年8月30日 20時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 説明文(?)の所に善逸オチとかいてありました。ちゃんと見ずに質問してしまってすみません!!失礼しました。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 質問です!こちらの作品は宇髄さんオチですか?? (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロマネスコ | 作成日時:2020年3月31日 21時