お見舞い ページ37
塀を乗り越え、山を抜ける太陽がそこそこ高くなっている頃、やっと蝶屋敷に着いた。
『ごめんくださいっ!』
アオイ「羚凰さんでしたか。炭治郎さんたちでしたらこちらです。」
随分慌てたようすの私を見て察してくれたらしい。
『...ありがとうございます。』
アオイ「仲間が心配になる気持ちはよく分かるので。」
そうだ...この人だってずっと待ってるんだ。
こんなに胸が張り裂けそうなのも私だけじゃない。
案内された部屋は1番北側にある大部屋だった。引き戸を開けば、ベッドに炭治郎、その周りに善逸と伊之助、禰豆子ちゃんがいた。
『みんなっ.....』
善逸「羚凰!」
まず善逸に抱きついた。心臓が脈打ってるのを感じる。生きてる。
生きて帰ってくれて本当に良かった。
禰豆子ちゃんもタッタッタッと走ってきてぎゅっと抱擁をした。
『炭治郎の具合はどう?』
善逸「腹を刺されて結構血が出たけど呼吸で止血できてたみたいで、危ない状態ではないけど絶対安静。今は痛み止めとか化膿止めとか入った薬飲んだのと疲れとで寝てる。」
炭治郎を見ると確かに血色がしっかりしているので、危ない状態ではないんだろう。
『そっか、良かった。煉獄さんのことは...聞いてる。』
善逸「煉獄さんはすげえよ。あんなにたくさんの人が乗ってる汽車から死者を1人も出さなかったんだぜ。
俺なんか何も出来なかった。」
伊之助「俺もっと強くなる。悔しくて悔しくて堪んねぇけど...止まってはいられねぇからな。」
禰豆子「うー!うー!」
『私も...強くなりたい。ちゃんとお葬式出ようね。これで忘れてしまったらそれこそ報われないもの。』
善逸「うん。」
それからは何かと忙しかった。
鬼殺隊は万年人手不足なので、丁度お休みを貰っていた私か駆り出されて今回の事案の事後処理から報告の補助までをやった。
御館様(文で)としのぶさんの指示を受けて、もう鴉で伝達されているとは思うが煉獄さんのご実家にも正式な文書を送り、その他色んな方面の方にもそういった内容の文を出した。
最近やたらと嫌な予感がする。いつもの勘ではなく、もっと漠然としたものだけど。
なにか大変なことが起こるきっかけになる歯車が回り始めたような...
そんなモヤモヤがいつまでも消えてくれないんだ。
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ロマネスコ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます!一応一週間に一回定期更新していますが、書ける時書けない時があるので長い目で見ていただければ幸いです(*^^*) (2020年8月31日 15時) (レス) id: 87cf8bc382 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 気になるぅぅ!応援してます! (2020年8月30日 20時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 説明文(?)の所に善逸オチとかいてありました。ちゃんと見ずに質問してしまってすみません!!失礼しました。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 質問です!こちらの作品は宇髄さんオチですか?? (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロマネスコ | 作成日時:2020年3月31日 21時