昔のこと ※善逸視点 ページ26
善逸視点
ふうっとひとつ息を整えて決意の籠った音とともに羚凰は語りだした。
『私が父さんと母さんに言われて男として生きていたのはこの前も話したけど、細かい部分は調弄してたからきちんと話す。
私はね、男の子で生まれてこなきゃいけなかったんだって。家を継ぐ子が欲しかったらしいの。だから男の子が欲しかったんだって。
母さんは妊娠しづらい体質で、なかなかやや子が出来なくて、やっと生まれたのが私。最初から、私は望まれてなかった。
7歳までの間、私は父さんにも母さんにも愛してもらえなかった。寂しかった。家の奥の部屋に押し込められて、ちょっとのご飯を貰って親の気が立ってる時には殴られたりもした。でもね、母さんとっても苦しそうな顔をして殴るの。やっちゃいけないとわかってるけど、どうしても我慢できないみたいな、そんな感じだった。
今思えば、父さんのお姉さん...私から見た父方の叔母さんたちが母さんに色々文句を言っていた気がする。うちの家はどうなるの、とかそういうことを。
それで、私が7歳になる頃には母さんも私も限界だった。母さんは心を病んじゃって、引きこもるようになった。それと同時に私への当たりが強くなって、私の命が危なくなったの。
私が男として生きるキッカケになった事件があって......母さんがね、熱した火かき棒で私に火傷させたのよ。左胸の少し上あたりに大きなバツ印を描くようにして。その次に首元にも火傷させるところで父さんが止めてくれた。
流石にもう危ないと判断した父さんは、私に男として生きるようにと言ったってわけ。』
口調は軽いけれど、羚凰の音の中にズキズキとした音が混じっている。思い出して心を痛めてまで話そうとしてくれてるんだ。
『私にとって認められることは特別なこと。愛されるのと同等のこと。
だからっ、こんな所で、、つまづいていられない。役に、立たなきゃ、、強くならなきゃ、、必要とっ、してもらえない。
もうっ、''要らん子''なん、て...』
言われたくない。
俺と似てる ※善逸視点 +作者からインフォメーション→←言わなきゃ
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ロマネスコ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます!一応一週間に一回定期更新していますが、書ける時書けない時があるので長い目で見ていただければ幸いです(*^^*) (2020年8月31日 15時) (レス) id: 87cf8bc382 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 気になるぅぅ!応援してます! (2020年8月30日 20時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 説明文(?)の所に善逸オチとかいてありました。ちゃんと見ずに質問してしまってすみません!!失礼しました。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 質問です!こちらの作品は宇髄さんオチですか?? (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロマネスコ | 作成日時:2020年3月31日 21時