機能回復訓練 肆 ページ19
カナヲが角を曲がるその瞬間、加速してカナヲが曲がったのを確認してから右側の壁に跳び、わざと大きく音を立てる。
人間は思ってもみなかったような音がすると、咄嗟にその方向を向いてしまうものだ。
それを利用する。
脚にできる限りの力を込めてすぐさま壁を蹴る。
ここまでをカナヲが振り返るまでに終わらせて、私はカナヲの視界から消えつつも気配を消して背後に着地する。
カナヲが再び前を向いた時には...
『捕まえた。』
もう決着がついていた。
炭治郎「すごいなぁ!俺なんか一回も捕まえられなかったのに!」
伊之助「すげぇすげぇ!!勝っちまった!!!!」
『昔住んでた町でよく子供たちとやってたからね、コツがあるのよ。これも。』
善逸「単純に体力とかで勝負が決まるんじゃないのか?」
『確かに、私たちと柱の人たちくらい力量に差があればそれはかないっこないけど、鬼ごっこだって実は頭脳戦だったりもするんだよ。
する場所、する相手との親しさの度合い、力量の差、その人の特徴.....そんなのを読めばかなりいい線までいけるはず。
特にここは屋内で壁があってとてもやりやすい。足場が多いから飛び跳ねられるよね。カナヲとはまだそこまで深い関係を築けてないからこっちの動きは読まれにくい。力量の差はどうだろう...まぁどっこいどっこいくらい?あと今回重要視したのは、
───カナヲが目をすごく使うこと。』
善逸「目?」
『そう、目。カナヲは視認してからの反射神経がとってもいいよね。相手の動きをよく見て、その骨、筋肉の動きで次の動きを予想してるもんね。でもねそれ故に、動作の中で見ることに重きを置いている感じがしたの。
そこで音を立てることにしたのね。さっき壁を蹴った時の。人間みんな突然音がしたらそっち向いちゃうでしょ?それを利用した。それと同時に姿を消せば、カナヲに見られずに先に進めるってわけ。
どう?鬼ごっこも簡単じゃないでしょ?』
善逸「羚凰凄すぎでしょっ!!この子天才よ!」
『なんでなんでオネェ...』
善逸「あらヤダごめんなさいねっ!!!!」
炭治郎「羚凰は本当に凄いなぁ。俺も見習わなきゃな!」
『うふふっ、これだけは師範のお墨付きなのよ。』
そう言ってニカッと笑ってみる。
その後善逸が密かに顔を赤くしていたのを私は知らなかった。
123人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロマネスコ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます!一応一週間に一回定期更新していますが、書ける時書けない時があるので長い目で見ていただければ幸いです(*^^*) (2020年8月31日 15時) (レス) id: 87cf8bc382 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 気になるぅぅ!応援してます! (2020年8月30日 20時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 説明文(?)の所に善逸オチとかいてありました。ちゃんと見ずに質問してしまってすみません!!失礼しました。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)イト - 質問です!こちらの作品は宇髄さんオチですか?? (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ロマネスコ | 作成日時:2020年3月31日 21時