19＊ ページ21
｢…………んん｣
蝉の鳴き声に目を覚ました私は底知れぬ暑さであったりなんであったりのせいで思わず唸ってしまった。
なんでこんなに暑いんだろう……？ 答えは瞼の向こうにあった。
｢っわ｣
私の衣服は寝てる間相当暑かったのか知らぬ間に大げさにはだけていた。……それだけなら良かったんだけど。
帰ってなかったんだ……。
煉瓦色のシャツの袖が私の体に絡まってる。視点を少し上げると目元がちょっと腫れた吸血鬼オヤジの姿。おはようなんて言いたくはない。
｢………………｣
少し寝ている位置を上げて視点をアランの顔に近づける。そのままじーって顔を見つめて軽く小突いたりもした。顔、良い……。彼はゆっくり外見の歳をとるのかしら。皺や肌の手触りでそんなことを考えてみる。
｢……おはよ｣
ずっと寝てるものだからついつい弄りすぎた。突然瞼が開いて灰色の瞳が私をじっと捉える。僅かな微笑みに首を傾げる姿は少しこそばゆくて心の中で恋人面しないでくださいと言いかけた。
絡まった腕は未だ解けない。
｢随分乱れた格好だけど｣
｢え…………ってあ｣
さっき起きた時点でパジャマの乱れには気付いていたのに！ ぼーっとしてたせいかはだけ一つ直すことができてない。
急いで隠そうとしたけどもう手遅れ。腕のしがらみから解放されずにかたく抱かれてしまった。
｢ここのほくろ｣
｢見ないでくださいド変態！｣
｢大きい｣
｢変態！｣
そう大きく叫びなにもされてない右足でアランの急所を軽く蹴る。うぉ、と撃たれた獣のような声をあげてアランは砂に化けて消えてった。
｢Aお嬢さん？！｣
私の声を聞きつけたのか星川さんが急いだ楊子で部屋に入ってきた。
｢……朝起きて変態って叫ぶと運勢がよくなるって聞きまして！ 驚かせてしまってすみません｣
我ながら最高の言い訳と思った。
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よろず/串刺しゴリラ饅頭(プロフ) - チョロ松ガール☆さん» ありがとうございます、( ´∀`)b (2018年1月12日 21時) (
レス) id: 9bba109d95 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ松ガール☆(プロフ) - よろず/串刺しゴリラ饅頭さん» ふふっ・・・愛人ですか・・・面白いですね＾＾なんとなく気持ちはわかります(*^^*)それでは、陰ながら応援しております！！ (2018年1月12日 21時) (レス) id: 2e013c5cb3 (このIDを非表示/違反報告)
よろず/串刺しゴリラ饅頭(プロフ) - チョロ松ガール☆さん» コメントありがとうございます、ちょっとした思いつきから勢いで書いたものなのですが楽しいといっていただけてとても光栄です。理数系はちょっと百年先まで目にしたくないですね…… 早く理数系の愛人になってアランと主人公ちゃんいちゃいちゃさせたいです……（ (2018年1月12日 21時) (レス) id: 9bba109d95 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ松ガール☆(プロフ) - 理数系・・・・たしかに難しいですよね(；´∀｀)私も苦手です・・・毎日楽しく見させてもらっております(｀･ω･´)ゞ (2018年1月12日 21時) (レス) id: 2e013c5cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よろず/串刺しゴリラ饅頭 | 作成日時：2018年1月6日 1時
