その笑顔を [Fischer's] (ページ29)

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看病ページ29

シルクside
『シルクさん、すみません…風邪引いちゃったみたいで…』

風邪…
風邪かぁ…よかった～。

マジでビビった…w

シルク「熱は？」

『8度5分から8度8分くらいをさまよってます』

え、やば。

シルク「今からそっち向かいます。ゼリーでも買っていきますか？」

『ありがとうございます…住所は、この前渡しましたよね？』

シルク「大丈夫です。急いでいきますね」

何かあった時のためにと、Aさんの住所を紙に書いてもらっていた。

貰っといてよかった…

コンビニでゼリーと冷えピタを買ってAさんの家に向かう。

…冷えピタ、ホントは買いたくなかったけどAさんのためならしょうがない。

途中まで歩いてたんだけど、気持ち焦っちゃって途中から走ってた。

ピーンポーン

シルク「Aさーん！」

『…はい。今開けます…』

苦しそうなAさんの声が聞こえてから数秒後、ガチャッとドアが開いて顔を赤くしたAさんが出てきた。

シルク「っ！肩貸します！」

Aさんの手を自分の首にかけ、体に手をまわして支えた。

『ありがとうございます…』

シルク「冷えピタも買ってきました」

『シルクさん、本当に頼りになりますね』

Aさんは苦しそうな顔で笑った。

こんな時なのにその笑顔に惹かれてしまうのは気のせいということにしておこう。

シルク「まずここで寝ててくださいね」

Aさんを寝かせると袋から冷えピタを取り出す。

そういえば、Aさんの家入るの初めてだな～

シルク「冷えピタ貼りますよ」

冷えピタのフィルムを外す。

うへ～
きもちわりぃ。

『シルクさん、変な顔w冷えピタ苦手ですもんね』

シルク「すみませんw」

片手でAさんの前髪をあげて、もう片方の手で冷えピタを貼る。

『っ、冷たい…』

シルク「我慢我慢」

『はい…我慢我慢』

Aさんはすぐ眠りについた。

あ、そうだ。
この前モトキに教えてもらったお粥作ろう。

キッチンをお借りしてお粥を作り始める。

卵がゆにしよう。

シルク「あちっ」

なんとか卵がゆを作り終えてAさんのところに向かう。

シルク「Aさん、卵がゆ作ってきました」

『ありがとうございます。…いただきます』

シルク「あの、食べさせてもいいですか？」

Aさんに動いてもらうのはなんだか申し訳ない気がして、俺は食べさせる事にした。

『はい。お願いします』

シルク「はい、あーん」

『ん、おいしいです』

よかった。
いつもの笑顔だ。