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「まぁ僕がそんな話をしなくても時間の問題だったかな、と今になれば思うけど。ヒロ、わかりやすいから」
そんなことないだろ!とヒロが返す。
あるよ、ないよ、同期の奴らみんな知ってたぞ、嘘だろ?!と2人の声が交互にするが、もう私は恥ずかしすぎてそれどころではない。
『…私はあんまり分かってなかったけど』
「フォローになってない〜…1番伝わって欲しい子に伝わってない時点でもうアウトなんだよなぁ」
あとさ、とそのままヒロが続ける。
「零のその、Aのことわかってるみたいな発言が地味に、こう、嫉妬するというか」
「それは2人が僕を間に挟んでお互いのこと聞いてくるから、必然的に双方から情報が入ってくるんだよ!連絡先教えてやるからって何度も言ったのに!」
…私も…特に警察学校出てからの2年間はヒロの連絡先を持ってなかったから、レイに会う度にヒロは元気?って聞いてた気がする。
自分で連絡しろって何回も言われたが、あの頃はコードネーム欲しくて必死だったから…。
そういう気持ちと仕事は両立しない、と本気で思っていた、あの頃の私、ちょっと怖い。
「とにかく!もう今日は一旦切るからな」
あ、そうだ。
あいつらが落ち着いたら連絡しろって言ってたよ、と付け加えて電話が切れた。
あいつらっていうのは松田くんたちのことだろう。
レイが変なこと言って電話を切るから、なんかまた部屋が変な空気になる。
さっきの片付けしよう、と立ち上がるが、いや今のこれはなにか言う流れだよなぁ…と思わなくもない。
連絡取らなかった2年間と、その後の4年以上、ずっとちゃんとした話は避けてきたから急に変われないのだ。
好きだと言ってもらったけど、未だに私も好きとは返せていないし。それっぽいことは言ったが。
…恥ずかしいんだよなぁ。
「どうかした?」
『…私も、ヒロが好きだってまだ言ってなかったなと思って』
「…そ、そういう嬉しいことを言う時はこっち見ようか」
『無理』
ヒロは笑いながら片付けなら手伝うよ、と声をかけてくれる。
「…時間はあると思うし。まだまだ話もゆっくりできたらいいなと思ってる。でもちゃんと大切にしてくれてるのわかってるから、大丈夫。…俺が大切にしてるの伝わってるかわかんないけど」
『…伝わってるよ。ねぇ自意識過剰かもしれないけど、ヒロってもしかして私の事結構好き…?』
「え、今更?…多分、Aが想像してるよりずっと好きだよ」
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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/
作成日時:2022年6月12日 17時