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報告書やらなきゃな〜と思いながら、調査の結果怪しいところは山ほどありますが問題ないです!みたいなのを書く気にならない。
ココアを飲みながら、チラッと隣でパソコンをカタカタしてるヒロを盗み見る。
髪も染めて、ちょっとだけふわふわさせて。
もうアイデンティティが色々なくなってる気がするけど、それでも別に私的なにも変わらなかったな。
ブルーライトカットのメガネが似合ってていいなぁ、なんて思ってるとヒロが視線に気付いたのかこっちを見た。
「ごめん、放ったらかしにして」
『いや、この状況私が邪魔してるだけだから気にしないで』
「邪魔?してないよ。むしろ好きな子に見られてたらだいたいのことはやる気になる」
『…そういうとこだよ』
付き合ってください、はい、みたいなやり取りがあったわけじゃないけど、まぁ付き合うようになって。
すごく大切にしてくれるのがわかるから、自分も大切にしてもらえるような人間でいようって色んなことに気を使うようになった。
…自己肯定感が上がるってこういうことなのかもしれない。
『私も報告書やらなきゃなぁ…』
「そうかもだけど、疲れてない?もう寝たら?」
『…疲れてるっていうか…ホストみたいな場所は光と音が大きくてあんまり得意じゃないみたいで』
そういえば組織にいた頃、ハニートラップ要員だったからカジノみたいな場所にも散々行ったけど、終わったあとは爆睡だったな。
「お疲れ様。…Aはあんな感じの場所は得意じゃないのかもだけど、でも今日みたいな服似合ってたからまた着て」
『あれ似合ってた?キツくない?』
「え、可愛いって言ったじゃん。あーでも淡い色も似合うな…」
『そういえばヒロの好みってちゃんと聞いたことない。どんなのが好き?』
「どんなの?!えっ、えー…」
完全に私もヒロも報告書はどこかに飛んでいってしまったなぁ、なんて思うけど。
どうやら私は疲れてるらしいので、一生懸命考える彼氏に癒されてなにが悪い。
どんな答えが聞けるかな、と思ってると予想外のものだった。
「…初めてドレス着てるの見せてくれた時にしてた、ポニーテール、好きかも。…あと今みたいな黒も似合うけど元の髪の色好きだな」
知ってる?とヒロは笑った。
「太陽浴びると、透けてキラキラするんだよ。それが」
そこまで言ったくせに、恥ずかしくなったのか思いっきり顔を逸らされてしまった。
こっちも恥ずかしい。
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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/
作成日時:2022年6月12日 17時