転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ49)

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私たちは明日には渡米するスケジュールになってるらしく、今晩はFBIの使っている隠れ家に行くことになった。
事の進め方にあまりにも淀みがなさすぎて、赤井さんは一体どこまで見えていたんだろう…とちょっと恐ろしくなる。

『…レイは本当に気をつけて。もしかしたらしばらく連絡取れないかもしれないけど、でも、それでもなにかあったら連絡してね』
「零、あんまり無茶するなよ」

2人とも僕のことそんなに好きなのか？と不思議そうに言うので、当たり前でしょ、と笑って返した。

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FBIの隠れ家だというそこは重要人物の隔離にも使われる場所だったみたいで、テレビもなければ窓も小さく、薄暗い印象の部屋だった。

『…歩けるって言ったのに』

車から降りる時もずっとヒロにお姫様抱っこされて、さすがに恥ずかしくてそう言う。

「ダメ。すごい顔色悪いよ、メイクで誤魔化せてない」

…誰のせいよ、とは思ったけど言わなかった。
ヒロの潜入がバレたのは、ヒロのせいじゃないから。
確かに彼の協力者だった人がちょっと怪しかったかな、と思わなくはないけど、あの程度の違和感は見過ごす人が大半だろう。だからこそ私はレイに散々忠告した。なにか私たちが想像できないようなよくないことが裏で進んでるかもしれないから。

『…ヒロは怪我してない？具合悪いとこもない？赤井さんとはなにを話したの？』

ゆっくり私をソファに下ろしながらヒロが苦笑いした。

「話はまた明日にでもしよう。今日はもう寝た方がいい」

『やだ、だいたいベッド1つしかないのにどうするの』

「Aが使いなよ、ちゃんと休みな」

『ヒロだってずっと気を張ってたんだから寝た方がいいよ。それにあなたここじゃ寝れないでしょ』

「…俺は平気だから、そんな泣きそうな顔しないで」

『誰のせいよ』

言ってからしまった、とは思ったけど止められなかった。
考えないようにしていたけど、本当に怖かったのだ。
うまくいかなかったらどうしよう、もう会えなかったらどうしようと思ったら怖くて怖くて。何回子供みたいに泣きそうになったかわからない。

『本当に体調が悪くなったら言うから。だからお願い、ヒロと話したいの。あっ、別に怒ったり責めたりしたいわけじゃなくて…』

組織のことは今くらいは気にしなくていい、ただ「好きな人」の話が聞きたいの。
そう思って彼の手を掴めば、根負けしたようなヒロが隣に座ってくれた。