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「…FBIの手を借りるのは癪ですが、そうすることが最適解だと思うので、全力で利用させてもらいます」
私とヒロが変な空気になってるのに淡々と話を進めていくレイが怖い。
っていうか話がズレたけど、ちょっと待ってよ。
『ねぇ、だからなんで私まで抜けなきゃいけないの？疑われたって知らないふりをしてればいいでしょ』
「…君の潜入が期間限定なことを忘れているのか？」
…ちっ、やっぱりレイはダメか。
「期間限定ってなに？どういうこと？」
「そのままの意味だ。僕やヒロの潜入に明確な期限はないけれど、彼女は違う。配属されてすぐに無理を言いまくって潜入したんだ、上層部とは4年の約束でね」
「4年ってことは…もう…」
『もちろん、抜けようと思ってすぐ抜けられる組織じゃないからタイミング見て抜けられそうな時に、おおよそ4年って意味だけど…。それが今だって言いたいの？』
「そうだ。君が言った通り、今後僕や…こいつはしばらく監視の目がきつくなる、なにかあっても助けてあげることはできない。それにこの機会を逃したら次いつ抜けられるかは僕にもわからない」
君みたいな人材を失いたくはないんだよ。
お願いだと言って聞いてくれないなら、命令するしかない。
そう言ったレイの目は真剣で、私は諦めるしかなかった。
『…わかった』
「話はまとまったか？ここにあまり長居することはできないからな」
ずっと黙って聞いてくれていたライに私はポケットの中から出したUSBを渡した。レイにも同じものを渡す。
「なんだ、これ」
『レイに渡したのは組織の、いわゆる幹部の情報全部。見た目だけじゃない、性格とかもデータで全部いれてある。どういう風な言葉が効くか、とかね、そういうの。あなたがここで今後うまくやるために使って。ライ…赤井さんに渡したのは、組織が使ってる武器の類がどこのものかの情報。まぁ、とかげのしっぽを捕まえるくらいにしか使えないと思うけど』
「おい、まさか、また変なハッキングしたのか？！」
『レイのはしてないわよ。…赤井さんのはまぁ…ね、うん』
「「このバカ！」」
2人から同時に怒られた。
レイは「ヒロとAはつくづく似た者同士だ！」とか毒を吐きまくっている。バーボンでいるべきか降谷零でいるべきかわかんなくなってるのか、キャラがめちゃくちゃだ。
「…FBIに欲しいな。どうだ？スコッチも一緒になる気はないか？」
「絶対あげるもんかっ！！」
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作者名：雨宮 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/
作成日時：2022年5月29日 7時
