転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ44)

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「ごめん、遅くなった」

観覧車の前に来てくれた2人に、あの中に爆弾がある、と説明する。
もう6時半になろうとしていて、人が少なくなってきたのは幸いだ。…あまり目立たずに済む。
タイマーにはまだ余裕があるけど動かせないからとりあえず外して持ってくるだけでも、とまで言うと、松田くんにべシッ、と手刀を食らわせられた。

「あのなぁ、普通、爆弾ってのはそんなに動かせねーんだよ。だから解除するしかねぇ」

『でも、2人とも今防護服なんて持ってないでしょ。それはダメだ、危ないよ』

「あ？んなこと言ったって」

「まぁ、防護服着た警察が解除してるのがバレて爆発させられて…ってなるより、今の方がいいかもねぇ。犯人近くで見てないって保証もねぇし」

『…止められる？』

そう聞くと、2人は「今日その台詞2度目だ」と笑った。
松田くんが笑いながら、止められないとでも？と返してくるから、お願いね、と言った。

『…盗聴されてるかもしれないから1人で行くか、2人で行って喋らないか、でお願い。観覧車は6時になったら止まるみたいだったから、問題のゴンドラが1番下になるような状態にしてもらった』

もし危なくなったらすぐに出てきて、お願い、と何度も念を押す。2人はチラッとお互いを見てジャンケンポン！とか言い始めた。
じゃんけんに勝った松田くんが、「萩、お前待機な」と言いながらゴンドラに乗り込んでいく。

「ちぇ〜っ、久しぶりに会った東堂ちゃんにいいとこ見せるチャンスだったのになぁ」

肝心の苗字のところを小声にしてくれる配慮、ありがたい。
私が公安なこと、言ってはいないけどもうこれだけ連絡しなかった時点で勘づかれてるだろうし、もしかしたらあの2人経由で知っているのかもしれない。

『別に爆弾解除したってしなくたって2人がいい人なの、分かっているんだけど。……あれ、萩原くんって私の事苗字で呼んでたっけ？』

…4年も前になると記憶が曖昧だが、確か名前で呼ばれていた気がするんだけど。

「いやー流石にね？同期の彼女、名前で呼べないでしょ」

『…彼女？』

？？？
私、誰と付き合ってることになってるんだ？
私が不思議そうにしていると、萩原くんが嘘でしょ？！と言った。

「え、俺らみんな、てっきりあいつと付き合ってると思ってたよ」

私が首を傾げていると、萩原くんはちらっと辺りを見たあと、小声で「諸伏ちゃん」と言ってきた。