検索窓
今日:11 hit、昨日:167 hit、合計:216,927 hit

41 ページ42

11月6日。
休みの日に、珍しく私は買い物に出ていた。
といっても昼過ぎの人の少ない時間帯に、変装しているという条件つきだけど。


最近まともに休んでいなかったから、色々買わなきゃいけないものがあるのだ。
車を走らせてショッピングモールに向かっていると、道端で転んでいるおばあさんを見かけた。
…ここでスルーできないから、私はいつもいつも…とは思うが、結局そのおばあさんは怪我をしていて、病院に送ることになってしまった。
平日だけど米花中央病院はそこそこの人がいて、受付におばあさんのことをおまかせして帰ることにする。


『…なんだ、あれ』


待合室の椅子に、紙袋が立てかけられている。
忘れ物だろうか?と思う。
有名な製菓会社の袋だし、お見舞いに誰かが持ってきたやつか?だとしたら忘れるなんてずいぶん間抜けな…と中身を見てみると…


『…わぁ』


これは、爆弾だ。
なんで、ここに、こんなものが。
タイマーはまだ24時間以上余裕がある。
誤爆する可能性もあるので、私はそれをそっと回収すると、公安の後輩を呼んで、爆処の人に渡しておいて、と紙袋を手渡した。
爆破予告でもあるの?と聞けば、そんなものはないらしい。


もしかして爆弾じゃないのか?と思うけど、そこら辺は解析を待ってみてからでも遅くない気もする…。


疑問を持ったままショッピングモールに着けば、もう4時を回っていた。
いくら平日とはいえ、夜遅くなるとまた人が増えてきてしまう。さっさっと買い物して帰ろう。
そう思っていると、今度は目の前で引ったくりが起きてしまった。


『警察の目の前で、とはまたずいぶんいい度胸してるじゃない』


…あーもう、あんまり目立ちたくないんだけどなぁ。
一応変装してるとはいえ、公安が表立って引ったくり捕まえた、なんてまた風見さんとかに怒られる。
お客様の中に警察の方はいませんか〜?!と叫びたくなりながら、私は引ったくりの腕を締め上げた。
犯人を追っていたら、ちょうど大観覧車の近くで捕まえることになってしまい、また人目を集めてしまったのは大いに反省している。


警備員さんに引き渡していると、大観覧車の中から変に挙動の怪しい男が降りてきた。
そういう偏見は良くない、と散々分かっているんだけど。
おじさんが?1人で観覧車に乗る?しかもこの時間に…


話を早々に切り上げて、私も彼が降りてきた観覧車に乗り込んだ。

42→←40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (143 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
460人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年5月29日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。