39 ページ40
ヒロが寝てる間、彼のスマホからこっそり抜き取ったライの連絡先。
あれからたくさん考えて、たくさん準備をして、さぁ始まりだと公衆電話からライに連絡を入れる。
声でバレるかもしれないな、と思ったから電話する直前にカラオケで散々歌って喉を枯らした。…ストレス発散などではない、断じて違う。
電話に出れるような環境だろうか、とちょっと不安にはなったがそれは杞憂だったようだ。
あくまで「ライ」の連絡先なのに、出て早々『こんにちは、FBIの赤井秀一さん』と私が言えば、流石に向こうも驚いたような気配がした。
散々脅して脅して(本当に申し訳なるくらい脅した)、じゃあ明日の同じ時間にこのホテルのこの部屋で待ってまーすとだけ言って電話は切った。
…もう本当に、この件に関しては胃が痛い。
٭•。❁。.*・゚ .゚・*.❁。.*・٭•。
約束の時間。
緊張、不安。色んな感情がごちゃごちゃになりながら、ホテルの部屋で待っていれば、部屋の扉をコンコン、と叩く音がした。
ドアを開けた瞬間に、布に隠されてはいるが拳銃が頭に押し当てられ、一周回って冷静になってくる。職業病か?
向こうは向こうで扉の先にいるのが『シンフォニー』だとは思わなかったようだけど。
「…約束通り1人で来たが。それで、君は一体なにを考えている」
『待って。まずこっちの身分を明らかにしていないから、フェアじゃないでしょう。入って、できればこれもどかしてくれると嬉しいんだけど…まぁいいや』
部屋に入ってから、手に持っていた警察手帳を彼に見せる。
レイにはめちゃくちゃ渋られたけど、大丈夫、用事が済んだらすぐに返す、とだけ言って無理やり用意してもらった。この所属も名前も名乗るのは本当に久しぶりだなぁ、と思いながら話し始める。
『警視庁公安部の東堂A。組織の内情を探るために潜入中の人間です』
「…あぁ、手を組みたいという話か」
『まぁ、長い目で見ればそうなんだけど。だから安心して。あることないこと…いや、あの場合ないことないことで脅したけど、私は貴方も、貴方たちのことも害するつもりはまったくない』
でもこの会話だけ録音させて、とスマホをテーブルに置く。
『…ところで、なんだけど。バーボンと、スコッチって知ってる?』
✄-------------------‐✄
ずっと書きたかったシーンを書けて嬉しい…
これは話が足りない気がしてきました(震え)
460人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/
作成日時:2022年5月29日 7時