転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ37)

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『起きるの無理そうならソファでも仕方ないか。ほんとはベットに寝た方がいいんだろうけど』

「んー…」

ヒロの目が半分くらいしか開いてない。
なんだか…ぽやぽやしてて可愛いな、なんて思ってしまう。
適当に買ってきたものの中に冷却シートも含まれてるんだけど、これどうするんだ。…冷静になると、自分で使ったことないかもしれない。健康すぎるな、私。
えいっ、と袋を破って、ぺた、と貼ってあげる。あ、端っこよれた、ごめん。

「…っ、つめた…。移るかもだから、あんまり近寄らない方がいいよ」

『…風邪は風邪でも過労っぽい感じじゃない？だから移るってことないよ、多分大丈夫』

もし移っても仕事休めてラッキー、と言うと、後で困るよ、と彼が笑う。
確かに。風見さんが鬼のような顔で催促してくる姿が目に浮かぶな。

『なんか食べないと薬飲めないよね。キッチンあるって発想なんでなかったんだろ、そしたらもっとまともな買い物してきたのに』

ゼリーとかはまだしも、なんでカ○リーメ〇ト買ってきたんだ…。
病人に食べさせるにはあまりにもひどいな。口の中の水分全部なくなりそう。

「シンフォニーって料理するんだ」

『するよ。アメリカにいたんだもん、毎日ジャンクフード食べてられないし。あ、ごめん喋りすぎ？』

具合悪い人を前にペラペラうるさかったかな。
そう思ったけど、ヒロはそんなことないよ、って笑った。
伸びてきた彼の手が私の髪を指に巻いたりして遊んでいる。

「…こういう時に1人は落ち着かないし。それに、最近あんまり会えてなかったから、話したいなと思ってた」

『…そう？』

「うん。だからまだ帰らないで、ここにいて。バーボンも、ライも、まだしばらく帰ってこないはずだから」

『……ライ？』

「あー…知ってる？スナイパーで」

ヒロの言葉でふわふわとほんの少し浮かれていた気持ちが、ヒロの一言で一気に現実に引き戻された。
ライという人物について説明してくれてるヒロの説明は、ほぼ右から左にすり抜けていく。
バーボンと、スコッチと、組んでいるのがライだって？

…彼の名前をを知らない人間は組織にはいないだろう。