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「…ありきたりだけどさ、全部2人に話してみてって。できれば3人で。そうしたらお互いどんな気持ちでどんな風に相手を思ってるかが、きっとわかるよ。パパもママも君のことが本当に好きだと思うから、少しくらい嫌だと思ってることを言ったって絶対に聞いてくれるさ。…好きも嫌いも、相手がいて自分がいれば、いつでも伝えることができるんだ。何度でもやり直せるよ」
…そこまで聞いて、そういえばヒロの家族って、と思い出した。ちゃんと聞いたことはないけれど。
それをそのまま伝えると、彼女は素直にうん、と頷いた。
『…1人で帰れそう？っていうかどうやって来たの？』
「…前はこの辺りに住んでたの。だから貯めたお小遣い持ってバスに乗って。大丈夫、道は分かるから」
しっかりしてるなぁ。
「…ねぇ、また会える？」
そう言った彼女の目線の先にはヒロがいた。
あぁ…と思いながら、まぁわかるな、と思う。
あんなこと言ってくれる人がいたら、王子様に見えるよね。
「…また会えるかは、わからないけど。でも君が幸せになれることを祈ってるよ」
その返しを聞いた彼女は嬉しそうに頬を染めて笑った。
返事もパーフェクトだ、あまりにも初恋泥棒すぎる。
彼女に手を振りながら、妬けるなぁと言ってみる。
「なにが？」
『だって、彼女の初恋は永遠にあなたでしょ？おそらくもう会えないけど、ずっとあの子はあなたのことを忘れたりしないもの、それが、なんだか』
ずるいような、眩しいような。
色々なことを理由に、色々なことを先延ばしにしてる気がするから、まっすぐなのが単純に羨ましかった。
好きも嫌いも、相手がいて自分がいれば、いつでも伝えることができるんだって言うのがずっと頭の中をぐるぐる回っている。
「…Aが妬いてくれるなら、最高だね」
『馬鹿なこと言ってないで。あと外で呼ぶの禁止！あーもう行きましょ、お腹空いた』
「そっちが先にこっち来たのに」
うるさいなぁ。
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この2人、お互い相手は自分のこと好きなのでは？と思いつつ、徹底的に気付かない振りをしばらくします…
(表現できる文才がないので補足)
たくさんの方に見てもらってめちゃくちゃ震えてます…
評価などなどたくさんありがとうございます。
番外編みたいなのも書きたいなと思ってるのでリクエストあればコメントにどうぞ〜！
雨宮
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作者名：雨宮 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/
作成日時：2022年5月29日 7時
