転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ30)

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『どうしたの？』

チェックアウトはすぐに終わって、彼の元に戻る。
聞けば、別に？と返ってきた。

「それだけじゃないんだけど、っていう優越感を感じてただけ」

『…？…あ、ねぇ、今更だけど。バーボンどうしたか知ってる？普通に部屋チェックアウトしちゃったけど』

「…そういえば知らない、どうしたんだろ。帰りの飛行機は一緒のはずだけど」

連絡だけいれておくことにして、そのままホテルを出た。
どのくらい歩くの？って聞かれたから、15分くらい？と返す。

「…昨日の夜はあんまり見てなくて気付かなかったけど、クリスマスの飾りすごいな」

『確かに初めて見るとびっくりするかも。夜になるともっと綺麗だよ』

こっちのクリスマスは日本よりお祭り感は薄いんだけどね、と言いながら歩いていると、どこかから子供の泣く声が聞こえた。

『…こっち？』

「行かないって選択肢は？」

『んー…ない、かな？』

そういうとこだよ、と彼は笑った。
嬉しそうな顔で。

声のする方向…路地裏に入っていくと、声の正体は小さな女の子だった。
多分、小学生3、4年生くらいの。
その子は元々この辺に住んでいたのだが、最近引っ越してついでに転校もしたのだが、その新しい学校に行きたくないみたいだった。
引っ越した原因は明確には口にしなかったが、父親の再婚が理由っぽい。新しい学校には馴染めないけど、行かないと家族…主に新しいお母さんに電話がいって心配をかける。それも嫌だって。

「…それに、家の中からお母さんの好きだったものが消えていくの。ダメなことじゃないんだけど、嬉しくはなくて…でもパパとママは仲良しだから、私が反抗するのもバカみたいだし。多分私が2人のこと冷めた目で見てるのも気付いてる、でもだからってどうしたらいいの？」

…仲良くしたい気持ちと、まだしばらく仲良くできそうにない気持ちがごちゃごちゃになっているんだろうな。
学校に行きたくないのにも、なにか理由がありそうではあるし。
このくらいの歳になると、もう何もかも吹っ切れるようなところがあるから、なにを言ったって上辺だけの言葉にしかならない気がする。

「…シンフォニー。通訳できる？…聞き取るのはできだけど、単語わかんなくてうまく話せない気がする」

『ん、なんて？』