転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ24)

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組織からの命令と、レイからのお願いを合体させると。
今日のおおまかな流れは、パーティーに参加しているターゲットに接触して、できる限り情報の回収。
そして頃合を見て、向かいのビルからヒロが狙撃する。
どうしたらスムーズかなぁ、と思考を巡らせていると…

「…ねぇ、さっきの話、どこから聞いてた？」

ホテルの廊下で隣を歩くヒロが聞いてくる。
なんのことだろう？
心当たりが全然ない。

『…話…？なんの？』

「えっ、ほんとに聞いてないの？」

『うん。…なんかまずい話でもしてた？』

「まず…くはないけど。…いやまずいのかな。めちゃくちゃ個人的なこと」

『…ふぅん？』

…なんか、つまんないの。

エレベーターホールの前まで来ると、ヒロはじゃあ俺階段から行くね、と言い出した。
10階から下まで降りて、隣のビルまで歩いていくの、大変そうだなぁ。

『うん、なんかアクシデントがあったら連絡して』

「了解。気をつけてね」

そう言いながら、ヒロの手が私のほっぺたをうっすら撫でる。

「…まつ毛、なが」

しみじみとした声に思わず笑ってしまう。
彼の手がそのまま落ちて、私の手首のあたりを優しく掴んだ。
どうしたんだろ？
ヒロ？と名前を呼びかけて、しまった、と口を噤む。誰が見てるか聞いてるか、わかったもんじゃない。

『…どうかした？』

ヒロはちょっとだけ辺りを見て、誰もいないことを確認すると、私の耳元で囁いた。

「…A」

『っ！！！』

「あーぁ先越されたな、悔しい！じゃ、ほんとに気をつけて」

ヒロは目深にフードを被り直すと、あっという間に階段を駆け下りていってしまった。
姿が見えなくなったことを確認してから、私はその場にしゃがみこむ。
耳まで熱い。

『…ずる』

こんなに恥ずかしいの、初めてじゃないだろうか？
今までヒロが照れてるのを見てるばっかりだったから、不意打ちすぎた。
…今すぐ追いかけて、好きだと言ってしまいたい。
返事とかはどうでもいいんだ、ただ1人で持っているのが苦しいくらいには、彼が好きだと思ってしまった。