転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ21)

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声を出さなかった自分を本当に褒めたい。
ニコニコとした笑顔を浮かべたレイ、その後ろにいたのは2年間何度も会いたい、と思って連絡先を消したことを何度も後悔した、その人がいたから。

『…よろしく、シンフォニーっていうの』

声が震えたかもしれない。
嫌な予感がする。
こういう時の私の予感は外さないのだ。

「はじめまして、シンフォニー。僕はバーボンです」
「スコッチだ」

心の中で全力で舌打ちした。
態度に出さないようにしたが、顔が歪んだかもしれない。
最悪だ。私もレイも、前世と今世で得たコードネームは変わらない。なら、NOCだとバレた公安警察っていうのは。

「ベルモット。後の流れは僕が彼女に説明しますので、もう行ってもいいですよ。呼び出しがかかってる中、連れてきてくれてありがとうございました」

こっわ…言外に追い出そうとしている。
レイが怖すぎて思わず首を竦めそうになるが、一生懸命耐える。
ベルモットに呼び出しがかかっていたのは本当のようで、じゃあお願い、なんて言って出ていった。
ドアが閉まって、足音が遠のくのを確認してから、ようやく部屋の空気が一気に緩む。
しかしレイはスマホでなにか文字を打ち込むと、画面を私に見せてきた。

「念の為聞いておくが、この部屋、僕ら以外に誰か入ったか？」

『いや、レイたちが初めて。ベルモット変な動きしてなかったから、盗聴器の類は、ないはずだけど』

あーでもないこーでもない、とスマホでやり取りをしながら、まぁ普通に会話しても大丈夫そうだ、という結論になる。
私とレイの話がまとまったところで、それまでずっと黙っていたもう1人の彼が、そっと手を挙げた。

「…あのさ、色々説明して欲しいんだけど？」

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『レイ、私が潜入してるって教えなかったの？！』

そう問い詰めたら、レイはそっと目を逸らした。
おっとその態度はなんだ？

「…あ、だからか、零。ここに来る前、扉の向こうに誰がいても驚くなよって言ったのは」

『…誰がいると思った？』

「…俺が好きなミュージシャンかな、とか。東堂だとは、本気で思ってなかった」

元気だった？と穏やかに聞いてくる彼は、口調はそのままだけど2年前と随分雰囲気が変わっていて。

『…カッコよくなったね』

そう言うと、彼はほんと？と嬉しそうにした。
…前言撤回、やっぱり変わらないかもな。