転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ20)

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前世ではコードネームを得て組織の中核になるまでにめちゃくちゃ苦労した。
でも今世は違う。
どんな仕事をどんな風にこなして、誰と仲良くすればいいかをなんとなく覚えている。
ちなみに、前世はスナイパーだったから今世もそうかと思ったが、なぜか情報収集、情報解析系の立ち位置になってしまった。
どこでなにを間違えたんだろう。

『…ねむ』

ホテルに着いて、シャワーを浴びて、髪だけ乾かしていつの間にかベッドで寝落ちていた。
起きたのはアラームではなくスマホの着信音。
画面にはベルモットと表示されている。

そうだ、潜入前に唯一心配していたこと。
前世の記憶と、今世でのコードネーム持ちが違う人だったらどうしようって。
でもベルモットにジン、ウォッカとかそんな知っている顔ぶれはそのままで、あんたら前世と同じなの。根っからの悪役ね、と笑った。

『…もしもし？』

「さっきから散々インターフォン鳴らしてるんだけど？部屋にいないの？」

『あー…寝てたから…ちょっと待って今出る』

ドアを開けると、私の格好を見てベルモットが額を抑えた。
この人、今世で関わるようになってから意外と面倒見がよくて付き合いやすい人であることがわかった。まぁこっちの正体がバレるわけにはいかないので危機管理はしっかりしているつもりだが。
そういえばこの前は、髪を乾かさないで寝てたらめちゃくちゃ怒られた。

『…前に怒られたから、今日は髪を乾かしたんだけど』

「そうじゃないでしょうよ。男が2人入るから、せめてなんか上に着なさい」

『2人？』

クローゼットから適当なカーディガンを取って羽織る。

『え、ってか誰か来るの？』

「新しいコードネーム持ちよ。1人はあなたと今晩仕事してもらうから…って全部メッセージで送ったはずだけど？」

『あー…きてたかもなぁ』

曖昧な返事をして笑いながらも、それは嘘だ。
組織での『シンフォニー』はマイペースで気分屋。
のらりくらりと猫みたいな掴みどころのない女を演じている。
世界的女優をどこまで騙せているかは分からないが、組織の中で『ざっくりした女』としてそこそこ認識されていると思う。
半笑いを浮かべつつ手ぐしで髪を整えていたら、ベルモットに睨まれた。

「随分おふたりは親しいんですね」

甘い声に、いや誰だよと思ったが同時に来たな、と思って心の中でニッコリする。
いつか会うことになるとは思って…

えっ？