転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ19)

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警察庁にある会議室の中の1つ。
無駄に広いその部屋の隅っこで壁に寄りかかりながら話していた。

「…もっと緊張してるかと思った」

『なにが？』

「知らない土地に行くわけだし。増して結構危ないことしに」

『あー…うーん…まぁ』

歯切れが悪くなってしまった。
どちらかというと、警察よりもそっちが本業だっただけに。

「誰かに言ったのか？潜入のこと」

『家族には。危ないことするからしばらく思うように連絡取れないかもしれないって』

「それでよく許してくれたな…」

『私もそう思う。ねぇ、降谷く…ごめん、今更だけど所属してる場所的に降谷って呼ばない方がいい？でも立場的には一応上司だもんなぁ』

「お好きにどうぞ。ってか所属云々の話、それ言ったらそっちもだろ」

それもそうだ。
じゃあ、今後はレイで。
そう言うと、彼は新鮮だなぁ、とちょっと笑った。
…ゼロって呼び方は、彼だけの特権みたいで、それが好きだったから。

『ねえ。レイ、3人からの連絡どうしてる？』

「3人？」

『爆処の2人と、班長。特に2人からの連絡頻度高すぎて通知がひどいことになってる』

「あー…見て、見ぬ振り？」

『レイがそうしてるなら、私もそれでいいや。んー潜入する前に携帯変えようかなぁ』

「ヒロは？」

『えっ？』

電気をあまりつけていない薄暗い会議室で、レイの青い目とがっつり目が合ってしまった。
諸伏くんとは、同じ場所に配属にはなったけど、私がバタバタしていてほぼ顔を合わせていない。
…一刻も早く潜入するために駆け回っていたのだ、ちょっと人に言えない手を使ったりもして。

『連絡は…ほぼきてないかな。私もしてない。潜入のことも、言ってない』

「…あいつも不憫だなぁ」

『どういう意味？』

「そのままの意味で」

分かるような、分からないような。
でも別にレイの口から聞くことではない気がして、ねぇねぇ、とだけ言った。

『…レイは、好きになりたくないな、って思った時ってもうその人のこと好きだと思う？好きになりたくないな、は好きになりたいな、と裏返しで、なんならもう思ってる時点でその人のことで頭いっぱいなわけで』

あの時のレイはどんな顔をしていたんだっけ。
僕にそんな話しないでくれ、とか言ってたかな。

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「…なつかし」

あれから2年の月日が流れていた。