検索窓
今日:119 hit、昨日:167 hit、合計:217,035 hit

17 ページ18

周りが寝静まった飛行機の中で、私は警察庁にいった1人の同期との会話を思い出していた。


組織に特にこれといった拠点はない。
だけど、やっぱり日本とアメリカに大きなネットワークを持っているらしく、私はアメリカの方にうまく潜り込むことになっている。
日本の方は時期を見て、彼が潜入するらしいのでまぁ問題ないだろう。
…っていうか、人のこと言えないけど配属されたばっかなのにそういう話持ち上がるの、本当にすごいな。
そんな彼からは、コードネームを得て、少し権力を得れば日本に戻ってこれるかもしれないからそれまで我慢して、と言われた。
…前世はアメリカ暮らしが基本だったし、特に不安はないんだけど。それは言わないでおいた。


ちなみにだけど。
彼に言っていない、私個人の目的もある。
1つ目。
おそらくこれは不可能だが、前世の両親について調べたかった。
今世では、2人は普通の人として人生を送っているから、何も情報はないだろう。それでも、なにか手がかりがあればいい、そんな程度だ。
ただの仕事でミスをしたにしては不自然だった両親の最期の真相について。


2つ目。
NOCの人たちと手を組むこと。
前世では私はNOCだったわけじゃないから、NOCの人たちが分かっても、動くことができなかったのだ。
でも今世では私は公安の人間だし、バックには絶対に敵に回したくない頼もしい同期がいる。
ウィン・ウィンの関係が築けるはずだ。


3つ目。
2つ目の目的と被るところもあるが、NOCであることがバレた人間を救うこと。貴重な仲間だ、見捨てる訳にはいかない。
前世と今世がどのくらい被っているか知らないが、一生懸命思い出している限り、NOCがバレた人は数人思い当たる。
その中には公安警察の人間がいた気がする。
コードネームは確か…スコッチ。



そこまで考えて、疲れたので座席にもたれた。
あーぁ、こんなことなら前世でもっと積極的に組織の中で動いておくんだった。
昔の知識がほぼないから、手探りなことが多すぎる。


飛行機に乗る前に新しく変えた携帯を起動させる、
中に入っているのはたった1人の連絡先だけ。
彼とはさっきも電話したけど、数日前に会った時の会話の方が鮮明に覚えていた。

18→←16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (143 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
460人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年5月29日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。