転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ16)

今日:143 hit、昨日:31 hit、合計:216,892 hit

15 ページ16

『…ごめん、その話は今はできそうにないかも』

普通にマンションの出入口から出ようとしてハッとする。
きっとこのマンションの周辺にはマスコミや一般人が大勢いることだろう。
顔を晒すのはまずい。

『ごめん、萩原くん、私裏から出…』

そこまで言いかけた時、大きな爆発音がして地面が揺れた。
なにが起こったかなんて見るまでもない。
さっきまで私たちがいたフロアにあった爆弾がどういうわけか作動して、爆発を起こしたんだろう。

萩原くんの携帯が鳴る。彼が電話に出れば、スピーカーでもないのに松田くんの大きな声が聞こえた。

「いや、今たまたま下に降りてきてて俺は無事なんだけど…」

萩原くんが電話に気を取られている間に、キャリーケースを引きながら私はマンションを飛び出した。
爆発が起きたとなると、余計大きな騒ぎになる。
一刻も早くここから離れないと。
…潜入捜査開始直前にして、警察官と一緒にいるところなんか撮られてたまるか。

…その気持ちが先行しすぎて、萩原くんにちゃんとお礼が言えなかったのは心残りだけど。
あーしまった、萩原くん、松田くんに私と会ったって話をするかもしれない。
やっぱり携帯変えないとダメかなぁ。
警察学校を卒業して以降、3人からのどこで何してるんだ系の連絡、全部今まで無視してしまっていたんだ。
私は携帯を取り出して操作すると、ある人に電話をかける。

「…もしもし？ニュース見た？マンションの爆破のやつ。…あそこで萩原くんに会っちゃったし、松田くんも近くにいたみたいで…配属先、聞かれちゃった。答えてないけど…。これってやっぱり携帯から変えるべきだよね？」