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episode32秋side ページ34

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 木曜日。
 次に会う時までに携帯電話を用意しないとさすがに怪しまれるだろうと、俺は携帯二台持ちを決意した。
 そして契約するために店に行きたいのだが、どうにも心配だ。
 そんなわけで、幸太郎に着いてきてもらおうと思い立つ。

 ……が、しかし。
 幸太郎はバイトだ。
 ならば栞奈に頼もうと、昼休みに聞いてみると、今日は南とアニメのイベントに行くらしい。

 一応優誠にも聞いたが、ドヤ顔でデートだからと言われたので速攻で帰ってきた。
 なんであんなやつがモテるんだろうか、もう俺は女子というものが理解出来なくなりそうだ。
 俺もうやだこの国。

 と、まぁこんな話はいいとして、結局誰と行くのか、1人で行くのか、そこが大事だ。
 2人で出掛けるほど仲の良いやつなんて、もうそんなに居ない。
 というか何故今日はこんなに断られるんだろうか。
 ツイてないな、と溜め息をつく俺の脳裏に、ある日の記憶が蘇る。


「1組の同じ委員会の女の子でね、すごい機械に強い子が居るんだよ。この前も誰かのラジオ直してたっけ。っていうか、今時ラジオ持ち歩く高校生って、なんか良いね〜」
「へぇ、すごいな、お前仲良いのか?」
「まぁね、それなりに仲は良いよ、すごいいい子だし」


 1組で幸太郎と同じ委員会の女子。
 新たに中原胡桃という候補が上がり、俺は5限目が終わると同時に教室を出て、1組の前に行った。
 1組も授業が終わったらしく、中から人が出てくる。
 胡桃の姿を目で捜す。
 見つけた。
 後ろのロッカーのところにしゃがんで何かしまっている。


「なぁ! 胡桃!」


 大きめの声で名前を呼ぶと、胡桃はぱっと振り返り、俺と目が合った。
 手招きして胡桃にドア付近まで来てもらう。
 胡桃はきょとんとしていて、俺にどうしたの? と尋ねてきた。


「実はさ、携帯の契約しに行きたいんだけど、1人じゃ心細くてさ、幸太郎にお前が機械に強いって聞いたから、付き合ってくれないかなって。どう? 今日の放課後」


 用件を伝えると、胡桃はうーん……と唸り、そしてほんのり笑った。


「うん。いいよ、放課後ね」
「おっ、良かった〜ありがとな! じゃあ正面玄関のとこで待ってるから。もしお前が先だったら待っててくれるか?」
「了解〜」


 物凄い俺視点な話だったが、胡桃は請けてくれた。
 いい奴だ。
 そんなこんなで、俺は放課後、胡桃とド○モショップに行くことになった。

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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 柚李さん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2017年2月21日 19時) (レス) id: 61bdcd300b (このIDを非表示/違反報告)
柚李(プロフ) - テストお疲れ様です! これからも更新頑張ってくださいね! 応援してます♪ (2017年2月21日 17時) (携帯から) (レス) id: 08c9ef1253 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾音日和。@たこむし | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/  
作成日時:2017年1月19日 21時

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