episode１５栞奈side ページ15
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「こたろう、じゃあ明日実行な」
「わかった。僕が呼び出しておくね」
「よろしくな」
昼に言ったように、放課後また話すから呼びに来たのだけれど、岬くんと秋のそんな会話に私の足は止まった。
実行？ 呼び出す？
なんのことだろうか。
もしや、告白…なんて、秋に限ってそれは無いか。
「秋！！」
考えていても仕方ないので私は今走って来たように装って名前を呼んだ。
秋は何故私に呼ばれたのか分からない様子で記憶の糸をたどっている。
少し間を開けて、あぁ、と呟いた秋は岬くんに断ってこちらへ来てくれた。
岬幸太郎。
秋と仲良しの優しくて紳士な男の子だ。
岬くんは私にもにこっと微笑んで、じゃあ先に帰ってるね、と言って歩き出す。
その後ろ姿が小さくなるまで、私と秋はなんとなく見届けていた。
「悪い、忘れてた 」
「いや、こっちこそごめん」
「それで、話ってなんだ？」
「……南ちゃんがね、最近……」
そこまで言った私は口をつぐんだ。
続きが思いつかないからだ。
私は秋のことが好きで、昼に秋がモテるという話を聞いていてもたってもいられなくなったので、先手必勝と話しかけたまではよかった。
行き当たりばったり星人の私の悪いくせが出た。
何も思いつかない。
「ごめん、やっぱり、なんでもない……」
本当のことは言えたものじゃないので、雑に誤魔化す。
岬くんを帰しておいてそれは無いだろと自分でも思ったが、それ以上の回避方法が思いつかなかった。
「そうか、俺に出来ることがあればいつでも言えよ。悩み事抱えすぎんのは良くないからな」
とても不純な動機なのに、こんなにやさしくされては、どうも良心が痛む。
ありがと、ごめんね、とぎこちなく返すのが精一杯で。
「じゃあ、私帰るね。ほんとごめんね、無駄に呼び止めて……」
「１人で帰るつもりかよ、送るから。どうせ降りる駅同じだろ。あと、困った時はお互い様。友達なら迷惑かけていいんだよ、気にすんな」
惚れなおしたじゃないか……なんて顔を赤くしたのがバレないように、私は少し下を向く。
その後は当たり障りない会話をしつつ家まで送ってもらった。
こんなことを他の女子にもしているのだろうか。
全く、皆に優しいというのは良いことであり時として罪だと思った。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 柚李さん» ありがとうございます！ 更新頑張ります！ (2017年2月21日 19時) (
レス) id: 61bdcd300b (このIDを非表示/違反報告)
柚李(プロフ) - テストお疲れ様です！ これからも更新頑張ってくださいね！ 応援してます♪ (2017年2月21日 17時) (携帯から) (レス) id: 08c9ef1253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾音日和。@たこむし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時：2017年1月19日 21時
