episode４３ ページ6
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バニまると写真を撮ったり、一緒にクレープを食べている写真を撮ったり、早川はやたら俺の写真を撮った。
撮りすぎ、と俺が笑うと、ふたばちゃん可愛いから、なんて言ってくる。なんなんだこいつは。
「はあ、楽しかったぁ……」
「あはは、それは良かった」
「早川く、んっ！？」
そろそろ帰ろっか。そう言おうと早川の方を向いた瞬間、人差し指で制された。
驚く俺に、爽やかさの中に有無を言わさぬ力を込めた笑顔が向けられて、その笑顔の持ち主は言う。
「……優。早川じゃなくて、優がいいな？」
「え、あ……」
まずい、完全に向こうのペースだ。これじゃだめだ、ちゃんと、俺が主導権を握らないと。
「す……優、くん？」
胸元の服をきゅっと握りつつ、やりすぎない上目遣いで、顔を赤くしながら、忌々しい名前を呼んだ。
早川はすごく満足そうに笑う。それがどうにも気持ち悪い。
「そうそう、よく出来ました！ ……俺は優って呼ばれた方が嬉しいんだよ。あはは、覚えておいてね」
「うん、ふふ、私のこともふたばって呼んでくれるもんね」
「やだなぁ、可愛すぎて好きになりそう」
「え、……あはは。冗談でも嬉しいな、早川くんなら本当に……」
「ストップ。優だってば」
「う、ごめん、優くん」
カップルにしか見えないであろう甘々な雰囲気を醸し出しつつ、帰りの電車に乗った。
早川はクレープを食べる俺の写真を待ち受けにしたらしい。気持ちが悪い。
電車に乗っている間、好きな芸能人の話なんかで盛り上がり、なかなか楽しく過ごしていたら、妊婦さんと三歳か四歳くらいの男の子が乗ってきた。俺は車内がほぼ満席に近いことに気が付いたので、さっと席を譲った。
「どうぞ」
「あら、いえ、いいんですよ」
「いえいえ、これくらい当然です」
「だって、連れの方にも……二席も譲ってもらうのは」
え、と思って隣を見ると、早川が立っていて、早川が座っていたところにはさっきの男の子が居た。早川が譲ったらしい。
少しはいいところもあるんだな。そう、ほんの少しだけ感心してから、妊婦さんを俺が居た席に座らせて、早川に笑いかけた。
「こういう気遣いも出来るんだね。相当モテそうだね、優くん。だとしたら……ちょっと、寂しいかも……」
「あはは。俺はみんなに優しいけど、好きな子にはもっと特別扱いするんだよ」
揺れる電車内で、宿敵の早川はそう言って俺の肩に手を添えた。その直後、カーブにさしかかり、車内の乗客はよろめいていたが、早川に支えられた俺には支障はなかった。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 腐った林檎さん» ありがとうございます！なかなか更新できませんが、コメントとても励みになります！ (2017年6月23日 18時) (
レス) id: 88af71ac7b (このIDを非表示/違反報告)
腐った林檎 - 更新頑張ってください！このシリーズ大好きです♪ (2017年6月23日 17時) (レス) id: ad9b3355a7 (このIDを非表示/違反報告)
綾音日和。@たこむし(プロフ) - 抹雨喇らいとさん» ありがとうございます！気づくのが遅くなってすみません、更新頑張ります！ (2017年5月15日 17時) (レス) id: 1e9658af6f (このIDを非表示/違反報告)
抹雨喇らいと - 引っ越すんですか！いろいろと大変かと思いますが更新ファイトです！応援してます(*´∀`)♪ (2017年5月8日 21時) (レス) id: f0fdb2d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たこむし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時：2017年4月19日 23時
