episode４６ ページ9
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電車が駅に着いたので栞奈とのやり取りを切り上げて降り、家まで歩く。幸太郎にもう大丈夫か尋ねると、姉は帰ったから大丈夫との返信が来た。今日も色々あったなと思いながら、一つ一つの出来事を思い出していると、あっという間に家に着いた。
「あれ、こんな近かったんだな」
気付けば目の前にはドアがあって、独り言を呟きながらインターフォンを鳴らす。すぐにドアは開いて、幸太郎が笑顔で出迎えてくれた。
ふたばのまま誰かに見られては厄介なので、急いで家に入る。
「おかえり秋くん」
「ただいま。こたろう」
「………………」
「ん？ わっ、どうした」
いきなり抱きついてきた幸太郎に戸惑いつつ、その温かさに魅了され、俺は笑顔でぎゅっとした。
身長差のせいで幸太郎が少し屈むか俺が少し背伸びするかどちらかでないといけないため、幸太郎が俺に寄りかかるというか、少し腰を曲げるというか、そんな感じだ。
にしても、いきなり抱きつくとはどうしたのだろう。大抵ハグする時は俺からというか、俺の「寒い」がハグの合図のようになっていたので、幸太郎から無言でされるのは珍しい。悪い気はしなかったのでそのまましばらく待っていると、俺から離れた幸太郎が女子にも負けないくらい愛らしい笑顔を浮かべた。
「ごめんね。ちょっと寂しかったから」
「おー、悪いなほっといて。こたろう俺不足か、ほらほら存分に味わえ」
「あはは、もう大丈夫でーす」
「なんだよー」
そういうことならと両手を広げたが、幸太郎は満足したらしく笑顔のままリビングに行った。行き場を失くした両手……虚しい。
「(こたろう寂しかったのか……悪いことしたな)」
「(ずっと一緒に居たのも、ずっと大好きなのも僕なのに、秋くんは今日ずっとあいつのところに居た……作戦とは言え、やっぱり寂しい。ずっと囲っておきたくなる。独占欲って言うのかな……僕が、自分が怖いや)」
時計は午後四時すぎを指していて、リビングのソファーに座る幸太郎と自室で着替える俺は、壁越しに夕飯を何にするか話し合う。麺類が良いとか、楽なのはカレーだけど気分じゃないとか、そんな程度だ。結局簡単で二人で作れる野菜炒めになった。
幸太郎が主な作業をし、俺はその他の雑用。前に洗った食器を片付けたり使い終わった道具を洗ったり幸太郎の作業を見学したり。あとは味見。いいとこ取りである。
早川といる時と違い、緊張も不安も何もなく気楽に過ごせるから、やっぱり家は好きだと思いながら、夕飯を食べた。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 腐った林檎さん» ありがとうございます！なかなか更新できませんが、コメントとても励みになります！ (2017年6月23日 18時) (
レス) id: 88af71ac7b (このIDを非表示/違反報告)
腐った林檎 - 更新頑張ってください！このシリーズ大好きです♪ (2017年6月23日 17時) (レス) id: ad9b3355a7 (このIDを非表示/違反報告)
綾音日和。@たこむし(プロフ) - 抹雨喇らいとさん» ありがとうございます！気づくのが遅くなってすみません、更新頑張ります！ (2017年5月15日 17時) (レス) id: 1e9658af6f (このIDを非表示/違反報告)
抹雨喇らいと - 引っ越すんですか！いろいろと大変かと思いますが更新ファイトです！応援してます(*´∀`)♪ (2017年5月8日 21時) (レス) id: f0fdb2d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たこむし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時：2017年4月19日 23時
