第59話 時の王の欲 ページ10
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“アタシ自身聞きたい事あるし”と言うシュラの要求をメフィストははねのけた。
Aが夜遅くまで起きているのは学園の生徒として見逃せないし、
彼女の保護者にも面目が立たないと言いながらAを抱き上げた。
“アインス・ツヴァイ・ドライ☆”と唱えるとメフィストとAの周囲にピンク色の煙が出る。
シュラの制止も聞かずにファウスト邸へと消えてしまった。
「A」
ファウスト邸――メフィストの部屋に着くとメフィストはAに声を掛けた。
メフィストに抱き上げられているAは夢とうつつの間をぼんやりとさ迷っているようだ。
腕の中にいるAは眠たくなって
『ん……』
メフィストには今何よりも欲しいものがある。
一筋縄ではいかないであろう、実に難しいものだ。
それは手に入れるのは容易く、同様に簡単に失うものだった。
自分の手から滑り落ちたものを追い、再び求める。
現れるのに何百年も待ち、やっと自分の手に入ったと思ったらいつの間にか消えている。
これを繰り返すこと三度。
自分のものにする期間よりも待つ時間の方が長い。
いくら時の王であろうとも悪魔だ。
待つにも限界という物がある。
「ほら、はやく起きて下さい。私と話したいことがあるのでしょう？」
『…サマエル』
Aを天蓋付きの
胸の奥が小さく音を立てた気がするのは気のせいかと思ったが、どうやらそうではなさそうだ。
寝ぼけているからこその表情であるのは分かっていた。
しかし自分の名を呼ぶ女を数百年ぶりに見たからだろう。
メフィストは“理事長”ではなく“サマエル”と呼ぶ女に満足と僅かばかりの愉悦を感じていた。
「お目覚めに温かい紅茶は如何かな？」
『もらうわ』
メフィストが隣の空いている場所に腰を下ろすと、女はそう言って笑った。
あどけない笑顔を向けつつ、記憶を取り戻したことによりぞくっとした艶めかしい雰囲気をもつ女。
メフィストが末弟達の喧嘩を止めた時の疲れを癒すには十分すぎるほどだった。
自分自身でも思う。
記憶のない女の元を訪れたり、女に構うことなど滑稽ではないかと。
こうして記憶を取り戻した女であれば、無理矢理にでも手中に収めてしまえば良い。
しかし本心が叫ぶのだ。
滑稽でも何でもいい。
女を何としてでも手に入れたい、女自身に自分のものにしてくれと請わせたいと。
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森ミク(プロフ) - 白い悪魔Loveさん» 表紙とっても素敵ですよね！プレゼントして頂いたものを使わせて頂きました。メフィストの妖しさも表現できているなら嬉しいです！メフィストはお茶目でも悪魔としての顔も持っているのでその違いをしっかりと伝えられていればな、と思います…！ (3月2日 21時) (
レス) id: 1a3deb8128 (このIDを非表示/違反報告)
白い悪魔Love - 表紙めちゃくちゃ素敵ですね！メフィストの大人っぽい感じの表現や作者様の色っぽい文章にとても惹き付けられました。青の祓魔師の夢小説の中で1番この作品が好きです‼️更新頑張って下さいませ。 (3月1日 22時) (レス) id: 3d805667a2 (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - アコさん» コメントありがとうございます。イラストの方ですが扉絵として掲載しようと考えております故しばしお待ちいただければと思います。 (2月29日 14時) (レス) id: 1a3deb8128 (このIDを非表示/違反報告)
アコ - 続編おめでとうございます🎊🎉この作品とても好きなのでいつも更新楽しみにしております！できれば夢主ちゃんのイラスト見てみたいです！ (2月28日 20時) (レス) @page8 id: 03d0b92719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森ミク | 作成日時：2020年4月9日 14時
