第61話 白悪魔の囁き ページ12
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やわやわと触れれば、女は“ん……っ”と甘い声を漏らす。
耳が弱いのも相変わらずらしい。
先ほどとは別の震え。
そんな反応を示すAが可愛くて仕方がないのは悪いことでは無い。
素直じゃないのは考えものだが。
「いつものように、自分の欲に素直になられては？奥村兄弟に興味があるのでしょう？」
するりと耳をなでるように動かすと私の手を掴んで引き剥がそうと動かす。
だが手に力は入っておらず、まるで縋っているかのように弱々しい抵抗だった。
決して首を縦に振ることはない。
それが可愛いらしくてついつい虐めたくなってしまうが、ここで止めなければ。
『それは―――』
戸惑いの視線を向けられるも、女に触れたいという欲は止まることを知らない。
これ以上の事はしない代わりに掬い取った一束の髪は見た目通り絹糸のようで。
息を呑む女をじっと見つめ、その心の内がわずかでも分かれば、と悪魔であるのに柄にもないことを思った。
「私と契約すれば最後まで鑑賞できる特等席をご用意しますよ」
メフィストはAの耳元に顔を近づけていたので、
その言葉はあたたかい湿った息と一緒にAの体内にそっと潜り込んできた。
Aはメフィストの顔色を伺っているようだった。
無理もない。理事長としてしか接してこなかった男が、悪魔としていきなり距離を詰めてきたのだから。
けれどAも欲には素直に生きてきた。
前世の自分が言ったことを変えてしまうが、正直な所あの兄弟が気になって仕方ない。
“サマエルとの契約は前回の延長だとでも考えれば良いだけではないか”と
Aの心の中に巣食う悪魔が甘い言葉で誘惑する。
『―――わかった。ただし条件がある。私の兄には言わず絶対に悟らせないこと。
それが吞めないのであれば契約はしないわ』
「よろしい。それでは契約成立ですね☆では魔法円を描くなりなんなりして私を呼び出してください！」
メフィストが何事もなかったかのように再び距離を取る。
『いや、それは後にして。私はもう眠いから寝るの』
そう言って羽毛布団の中に入る彼女は何とも可愛らしい。
その丸い頭をぽんぽんと撫でれば不服そうな、しかしどこかくすぐったそうに身をよじる。
こうして手の上で転がすのも悪くはないが、
できることならばもう一歩踏み込んだ関係になりたいものだ。
次はどうアプローチを仕掛けようかと、隣で眠るAを見つめながら画策するのだった。
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森ミク(プロフ) - 白い悪魔Loveさん» 表紙とっても素敵ですよね！プレゼントして頂いたものを使わせて頂きました。メフィストの妖しさも表現できているなら嬉しいです！メフィストはお茶目でも悪魔としての顔も持っているのでその違いをしっかりと伝えられていればな、と思います…！ (3月2日 21時) (
レス) id: 1a3deb8128 (このIDを非表示/違反報告)
白い悪魔Love - 表紙めちゃくちゃ素敵ですね！メフィストの大人っぽい感じの表現や作者様の色っぽい文章にとても惹き付けられました。青の祓魔師の夢小説の中で1番この作品が好きです‼️更新頑張って下さいませ。 (3月1日 22時) (レス) id: 3d805667a2 (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - アコさん» コメントありがとうございます。イラストの方ですが扉絵として掲載しようと考えております故しばしお待ちいただければと思います。 (2月29日 14時) (レス) id: 1a3deb8128 (このIDを非表示/違反報告)
アコ - 続編おめでとうございます🎊🎉この作品とても好きなのでいつも更新楽しみにしております！できれば夢主ちゃんのイラスト見てみたいです！ (2月28日 20時) (レス) @page8 id: 03d0b92719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森ミク | 作成日時：2020年4月9日 14時
