恋は盲目、愛は執着【青の祓魔師】 (ページ48)

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第47話地王の襲撃ページ48

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アマイモンの襲撃はシュラにとって想定内だったようだ。
ピュイッと口笛を吹くとシュラの合図に反応し土の中に潜んでいた蛇が出てくる。
その炎を纏った蛇を中心として魔法円ができあがる。

魔法円の完成によってバシィッと大きな音が響き、アマイモンとベヒモスは弾かれる。
勢いを殺せずにそのまま木々にぶつかってしまい、
〝バキメキメキ、バキ〟と軽傷ではすまないであろう音を立てながら後方に飛ばされた。

「クックックッ…。優雅に茶を楽しみながら観覧しようかと思っていたが、そうもいかないようだな。
　これは手強いぞ。どうするんだアマイモン？」

紅茶を片手にソファーに座りながら話しかけるメフィスト。
そのソファーは空中に浮いており、ティーポットや洋菓子などもフヨフヨと浮いている。

「ウーン、殺したい」

「ダメだ。…一人でも殺してみろ、私がお前を殺すぞ」

「ハイ。スミマセン、ガマンします」

メフィストの言葉に今度はしっかりと返事をするアマイモン。
先程より幾分か熱は冷めてきたようだが冷静にはなっていないのだろう。
その返事には感情が一切乗っていなかった。

シュラの使った魔法円は描いた時に中にいた者は守られ、それ以外を一切弾く絶対牆壁(しょうへき)。

しかし丁度、しえみに寄生した虫豸(チューチ)の卵が孵化した。
そのことに誰も気づけていない今、有利なのはアマイモンだ。

魔法円の外にしえみが出るタイミングにあわせるよう、アマイモンは再び牆壁(しょうへき)のある場所へと向かう。

「しえみ!!」

木々を移動し、操り人形と化したしえみの元にアマイモンが着地する瞬間、
しえみに向かって燐が大きく叫ぶ。

「虫豸(チューチ)の雌蛾に卵を生み付けてもらいました。孵化から神経に寄生するまでずい分時間がかかりましたが、
　これで晴れてこの女はボクの言いなりだ」

しえみの頭を手で支え自分の方へと抱き寄せるアマイモン。

「しえみ…！」

「さあおいで」

燐の叫びも虚しく、しえみはアマイモンに片腕で持ち上げられ魔法円よりも外側へと行ってしまう。

シュラもアマイモンを追いかけようとするが、シュラの行く手をベヒモスが阻む。
シュラはこのままでは埒が明かないと結論を出し、降魔剣(クリカラ)を燐に渡す。
“魔法円から出るな”という忠告もつけて。

しかし燐がシュラの忠告を素直に受け入れるはずもなく。
―――燐はアマイモンの後を追い走っていった。