第16話 夜の幕降りて ページ17
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空が暗くなる。
夕焼けから真っ黒な闇へと塗り替えられていく様は幻想的だ。
夜の帳がおり、星空が見え始める。
「遅くなりました」
「久しぶりだなアマイモン。�狠呂硫Ν瓩茵�
「ハイ…。お久しぶりです、兄上」
工事中であろう場所に鉄の支柱が建てられ足場の為に鉄橋となっている。
人間では到底行き来できないような高所で会話のやり取りは行われる。
「して。父上のお答えは？」
「……。父上は、兄上の申し出を受けると」
「…ほぉ…それは大変結構」
白い道化じみた服装に所々ピンクと白の水玉のモチーフを入れた中年の男。
シルクハットをかぶっているので、なおさら道化師を思わせる。
光もない暗い場所では男――メフィスト・フェレスの容貌は目を引くものであった。
「では、父上には“我らの小さな末の弟は、私の羽根の下ですくすく育っている。万事うまくいっている”とお伝えしてくれ」
「解りました」
全体的に緑色の無表情な少年――アマイモン。
森を思わせる深緑の髪に、Aが目を奪われた鶯色の瞳。
左手に鎖を持っており、鎖の先には
アマイモンはふと昨日のことを思い出した。
「……兄上、ボク今日リリスに会いました。数百年前と変わらず美味しそうでした」
"リリス"、"美味しそう"。
その言葉を聞いてメフィストが思い当たる人間は1人しかいない。
A・ナアマ。
――そう言えばあの女はアマイモンを可愛がっていたな。
悪魔だというのに、会うたび愛でていた。
理由は全くわからないし理解しようとも思わないが。
「…それについてはまた今度聞こう。あの女のことは父上にも兄弟にも決して言うなよ」
「ハイ、わかりました。兄上は
「行け。父上をお待たせするな」
「…ハイ」
アマイモンが去った後、メフィストは眼下にある街を見やる。
多種多様な明かりに照らされて輝く夜の景色。
「……フフフ、戻らないとも。私のような放蕩者にとっては、こんな愉快なオモチャ箱はないからな」
メフィストが、にやりと気味悪く笑う。
「楽しいお遊戯はこれからだ」
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作者名：森ミク | 作成日時：2020年2月11日 19時
