恋は盲目、愛は執着【青の祓魔師】 (ページ14)

今日:16 hit、昨日:22 hit、合計:134,877 hit

第13話初めての友？ページ14

-

アマイモンとAは、カフェテラスでアイスクリームを食べていた。
Aはアイスクリームを頼んだがアマイモンにほとんど食べられてしまったので、
新しく頼んだ餡蜜を頬張っていた。

Aは甘いものが好きだ。
好物であり毎日何かしらの甘味を食べている甘党だ。

甘いものが好きだが人に取られて怒らないタイプではない。
彼女は大人ではあるがそこまでできた人間ではなかった。
自分の欲に忠実であり、欲を満たすためなら手段を厭わない彼女。

最初の一口だけで、アイスクリームの残りは全てアマイモンが食べた。
しかしAは怒らなかったし機嫌も損ねなかった。
4月とはいえ寒がりのAにはこの時期のアイスクリームはきつかったからだ。

「A。あれは何ですか？」

『ああ、あれは駄菓子屋さんだね』

餡蜜を食べ終えたAが、アマイモンを見てふふっと笑う。
自分に弟が居たらこんな感じだったのかな、とAは思った。

兄はAを溺愛しているが故に1度だってAのお願いを断ったことはない。
我儘を言っても何だって叶えてくれたし、Aが望まずとも何だって買い与えてくれた。
けれど兄は甘い物が得意ではなかったので
甘い物を食べ歩いたりすることは両手で数えられるほどだった。

特別仲の良い友人というものがいなかったAにとって今日は本当に幸運(ラッキー)な日だった。
甘い物を好む人とカフェ巡りを楽しむことができる。
アマイモンはAの容姿に全く興味を示さないのでそこがまた良かった。

「駄菓子屋さん」

『色んなお菓子が安く沢山買える場所だよ』

「…行ってみましょう」

アマイモンはAの左手を掴むと駄菓子屋まで一直線に走っていた。

駄菓子屋では飴やグミ、チョコレートなど色とりどりの鮮やかなお菓子が売られていた。
大きさが小さく、スイーツを食べたAでも10個位は買えた。

アマイモンは両手いっぱいに抱えていたが駄菓子屋は比較的安いので、
Aが“今日のお礼に”と言って支払った。
Aにも一応、男除けの為に利用した罪悪感があったのだ。

その後、買った駄菓子を食べ何が美味しい、これは好みじゃない等
自分たちの好き嫌いを交えながら雑談していた。

そうしている内に夜の帳がおり辺りが闇に包まれる。
Aは寮生活のためこれ以上長居はできないと言いアマイモンと別れた。

『あ、連絡先聞くの忘れた』

寮に帰った後、Aは1人そう呟いた。