環と"愛してる" ページ49
その一瞬、時間が止まったように、天喰は動けなくなった
(今、Aは、なんて？)
振り向くと、Aは恥じらいを含んだ表情で、此方を見つめていた
「…もう、寝ちゃうの？私────」
もう、寝ちゃうの？なんて
ドッドッと早鐘の様になる鼓動、天喰の頭はオーバーヒートしそうだ
そんな天喰に身を寄せ、Aは縋るように名前を呼んだ
「環────────」
何かに引っ張られた、と思えば
もう次の瞬間には布団の上────そして、掛かる体重
────天喰はAを押し倒していた
今までに何度も見た、切羽詰まった、余裕のない顔
その顔を見る度に、なんだか切なくなって仕方なかった
「A────────」
初めて聞く、艶めいた呼び方
吐息が近くなった時には、もうキスをしていた
一旦唇を離して見つめ合い、またキスをする
唇が触れる度に、頭がふわふわして、熱に浮かされたAは天喰の腕をぎゅっと掴んでいた
「…っ口、開けて？」
キスの合間、優しい囁きに応じると、ゆっくりと舌が口内に入ってきた
一瞬驚くも、受け入れると舌が重ねられて
絡まる舌に、頭がぼうっとしていく
唇が離されたとき、Aは大きく息を吸った
「はぁ…っ、はぁ」
「…っごめん、苦しかった？」
息をする間もない、濃厚なキスだったけれど、不思議と苦しさは感じず
「…嬉し、かった」
微笑むと天喰は息を呑んだ後、Aをぎゅっと抱き締めた
隙間なく密着し、互いの熱が伝わる
「────A、愛してる」
いつもの、優しい、穏やかな声音
ずっと、探し求めていた言葉
「私も、愛してる────環」
胸の奥から溢れ出す愛情、彼から与えられる幸福に静かに涙が頬を伝う
背中にそっと手を回すと、天喰は耳元に顔を寄せて「…いい？」と問う
それは勿論、Aへの確認だ
その返事に対し、Aは「うーん…」という曖昧な返事
頭に疑問符を浮かべた天喰が、顔を見ると────Aは今にも眠りそうだった
「え」
「ごめん…、たまきの身体が温かくて…なんだか、眠くなっちゃって…」
必死にそれでも目を開けようとする間抜けな顔に、天喰は笑みを零した
「…寝よう、急ぐ必要なんてないから」
ぼふ、とAを腕に包んだまま横になる
もう眠りについてしまったAの穏やかな表情を見ながら、天喰はくすりと笑って目を瞑った────
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
