環くんと名前 ページ41
懐かしい体温、彼の匂い、どっどっと早鐘の様な鼓動に、また苦しくなって
「…ぁ、環くん、環くん…っ」
信じてた、信じてたけど、ずっと不安だった
完全に信じてあげられない自分が嫌だった
貴方に触れたら、涙が零れてきてしまった
名前を呼びながら、縋るように背中に手を回し、抱き締め返す────と
「いっ……た」
「えっ！？」
天喰が呻いたので、Aはバッと身体を離した
「ごめん、環くん、痛かっ────」
ぐっと引き寄せられ、行成口付けられる
「っ…ごめん、俺がAさんに触れるから」
「受け入れて」と耳元で低く甘く囁かれ、Aは胸の熱さを感じながら身を委ねる
この間よりも少し荒くて、熱い口付け
何度も何度も、角度を変えて────啄むような口付けに、Aの思考はすっかり溶けてしまった
「ったまきく…」
初めて見る彼の一面に、胸がきゅんと疼く
天喰は色んな想いを内に秘めた顔で、熱のある瞳で此方を見つめて
「好きだ、A────」
息が止まる
(今、私のこと、Aって────)
こんな幸せ、あるのかな
今度は嬉しくて、涙が溢れてしまうの
「こんなときに名前呼び、狡いよ…」
「だって、ずっと呼びたかったから」
天喰は再びAを腕の中に収めると、幸せそうに微笑んだ
「待っててくれて、ありがとう」
食後、二人寄り添ってゆっくりしていると、突然天喰が口を開いた
「…今度、何処か行かない？」
「えっ…、うん、行こう！行きたい！」
犬であれば尻尾をぶんぶん振っているだろうAの姿に天喰は苦笑する
「何処がいいかな、この間は私の行きたい所だったから、環くんは何処に行きたい？」
顔を覗き込むと、彼は俯いて黙ってしまった
「環く────」
「温泉」
思わぬ答えに「へっ」と間抜けな声が出る
「泊まりで、行きませんか」
尖った耳まで真っ赤な天喰の提案に────Aは即答で大きく頷いたのだった
「温泉……」
Aはスマホで"温泉 お勧め"と検索しながら呟いた
「泊まり…だよね、環くん泊まりって言ったもんね
それはつまり同じ部屋で寝るってことで…」
想像しただけで頭がばふっと赤くなる
熱くなった頬をペちペちしながら、Aはアザラシのぬいぐるみを抱きしめた
「丸一日ずっといたら、心臓持たないよ…」
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
