天喰くんとサプライズ ページ25
「待たせてごめん」
「ううん！大丈夫」
そんな言葉を交わし合うと、2人の間を沈黙が包んだ
(どうしよう、何か会話しなくちゃ)
そう思うも、何を話したらいいかわからなくて、でも何か話したくて、無言のまま考えていると────
「Aさん」
突然呼ばれ、顔を上げると────目の前に先程の大きな袋が差し出された
「え？」
「…その、プレゼント」
今日の記念に、と小さく付け足す彼に、胸がじんわりとなった
「ありがとう…！」
「絶対気に入ると思う…欲しそうにしてたから」
"欲しそうしてたから"
その言葉に引っかかりながら、袋からそれを出すと────
出てきたのは、まん丸顔の、ふわふわアザラシのぬいぐるみだった
「あ…」
「最初、じっと見てたから、欲しいのかと思って
…もし、気の所為だったらごめん」
天喰の言葉に、胸がぎゅっとなる
(…ちゃんと見てたんだ、それに、私のために)
隠した自分の気持ちを、汲み取ってくれていたこと
そして、買ってくれたこと
その2つに、その優しさに、どうしようもなく、"好き"が溢れてくる
「…もう大人なのに、ぬいぐるみなんて変じゃないかな？」
不安げなAの心情を察知した天喰は、慌てたように手を振った
「そんなことない…！そんなところも凄く、その…女の子らしくて、可愛いと思う」
どんどん小さくなっていったけれど、きちんと天喰の言葉は、Aの耳に届いて
尖った耳を僅かに赤くしながら、天喰はゆっくり言葉を紡ぐ
「今日は、…本当は自信が無かったんだ
自分なんかがAさんを、ちゃんと楽しませてあげられるのかって
こういうの…初めてだから
だけど、Aさんが、本当に喜んでくれて、楽しんでくれて、安心した
…今日は、Aさんの笑顔がたくさん見れて良かった」
1つ1つのその言葉が、雫のように胸に広まって、温めていって
「…天喰くんは、本当に…私のヒーローだね」
だって、不安な気持ち、全部無くしてくれるんだもん
嬉しくてどうしようもなくなって笑うと、天喰は「えっ…」と顔を赤くした
「ありがとう、…環くん」
ずっと、呼びたかった、下の名前
"たまきくん"そう呼ぶと、彼は「…っ！」と息を呑んだ
「私もね、あるの、プレゼント」
横に置いていた袋を、天喰に差し出す
「…先越されちゃった、サプライズ」
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
