サンイーターと再会 ページ3
あの後泣き疲れで眠ってしまったAは、警察署で目を覚ました
そのとき助けてくれた彼の姿は既になく、Aは沈んだ気持ちのまま事情聴取を終え、帰って行った
(あのヒーローの名前、聞けなかったなぁ)
初めて見たヒーローだった
彼の顔や声、姿はしっかり覚えているのに
(…お礼さえ、言えなかった)
どっと後悔と疲れが押し寄せる
家に着き、一安心したところで────Aは重要案件を思い出した
「しゅ、出勤!!!」
やばい、初日からすっぽかした
震える手で事務所に連絡すると、経営者であるファットガムが出た
『もしもし？』
相変わらず柔和な声だが、今日という今日は聞いても落ち着かない
どうしよ、初日からクビかも
お母さん、ごめんなさい
「あ、えと、ファットガムさん、田畑Aです、あの今日は」
『おー！田畑さん！無事やったんやな！良かった！』
「…へ？」
今日あったことを説明しようとすると、大きな声に遮られ、私はポカンと口を開ける
『いやぁ、立て篭りにあったんやろ？ホンマについてへんかったな…
あ、安心してや、事情はわかっとる
それに今日俺んとこの────』
「ほ、本当ですか！？」
『おお、せやから大丈夫や！
明日から元気に出勤頼むでー！』
ツーツーという音を聴きながら、Aはスマホを思い切り抱きしめる
「良かったぁあああぁあ!!」
────感涙に咽ぶとは、このことだった
メイクOK、髪型OK、スーツOK、持ち物…OK
可愛い見た目のファットガム事務所の前でAは全て再確認し、頬に気合いを入れた
(今日からここが、私の職場────)
期待と不安を背負いながら、扉の前で深呼吸した
扉をノックし、震える声で「失礼します」
「本日から出勤させて頂きます、田畑Aです
よろしくお願いします！」
礼をすると、上から「んな硬くなくてええんやで！」とファットガムの声が
顔を上げれば、ずんと効果音が着きそうにファットガムが立っていた
「うわぁあ…大きい！」
「うわっ、てか田畑さんちっさ！」
当然だ、身長は150の前半しかない
ファットガムはぼけーと釘付けになるAから目を離し
「環！昨日助けたん、この子やろ！」
「え？」
ファットガムが横へ移動すると、そこには───
そうだ、名前、眠りにつく間際、聞いたんだ
「サンイーター…!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 588人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
