サンイーターと出会い ページ1
────嗚呼、神様
────私が一体何をしたというの？
狭い室内は埃まみれで薄暗い
その中で、私は両腕を縛られたまま床に転がっていた
目の前には男が1人、血走った目で窓から外の様子を見たり、此方を睨みつけたりする
────そう、私は現在、立て篭り犯の人質となっていた
ようやく内定を貰い、働くこととなったヒーロー事務所への初出勤の日
近くで鳴るパトカーの音を何気なく聞いていた────が、次の瞬間には男に口を塞がれていた
駆けつけた警察に男は「入ってくればこの女の命はないぞ！」
個性であろう刃物のような爪を私の首に突き当てると、そのまま私を廃ビルへ連れ込んだ
それからずっとこうだ
パトカーの音がずっと鳴っているが、突入の気配はない
(なんで、どうして)
理不尽と恐怖に頭が支配されていく
視界に入る男の爪は、刃物のそれで
しかも爪には血がついている
(あれで誰かを傷つけたんだ)
頭に私もそうなるんじゃないか、という不安が侵食する
(怖い、怖いよ)
ぜぇぜぇと、恐怖で呼吸が乱れていく
冷たい床の温度に、身体が冷えていく
────誰か、助けて
大きな音がした
それは、窓ガラスが割れる音
男の叫び声がしたかと思えば、次の瞬間には男の身体は巨大なタコの足に絡み取られていた
(…タコの、足…？)
それと同時に、窓からフードを被った人物が勢いよく入ってきた
その人物は私を見るなり、近寄ってきて
「もう大丈夫、助けに来た」
落ち着く声音、安堵する力強い瞳、そして────差し出された大きな手
その瞬間、私は思ったんだ
────私の、ヒーローだ
呆然としている私の手が縛られている事に気づいた彼は、今度は手をカニの足に変え、器用にロープを切った
はらりとロープが外れ、私は床に座り込んだ
「立てる？」と改めて手を差し出した彼に、一気にそれまで張り詰めていたものが弾け飛んで────
「…わかった」
「…え？」
「怖かったよぉおおお…っ！」
ガバり、羞恥心も何もかも忘れ、彼に思い切り抱きついた
子供のように大泣きし出す私に、彼は「え、え」とアタフタする
そんな中警察が突入し、事件は幕を閉じた
その後、私はずっと彼にしがみついて泣いていたらしいが、その時のことはよく覚えていない
────これが、私とサンイーターとの、初めての出会いだった
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
