環くんと女神 ページ38
天喰が出張に赴いてから三日目の同時刻────ファットガムはAを気にかけていた
(田畑ちゃん…、大丈夫やろか)
出張から三日経つが、Aは普段と変わりない様子だった
逆にそれがファットガムにとって心配だった
仕事が終わり、身支度を進めるAに、ファットガムは思わず声をかけていた
「田畑ちゃん！この後お好み焼きでもどうや！
ファットさんが奢ったるでー！」
(あれ、何言うとんのや、俺)
言いながらひとりツッコミしていると、Aは目をぱちくりさせた後、嬉しそうにこくこくと頷いた
「うわぁあ、ファットガムお好み焼き焼くの上手ですね！」
「おー、せやろせやろ！腕に自信あんねや」
以前歓迎会を行った場所で二人はワイワイ楽しんでいた
焼きたてのお好み焼きを頬張りながら、熱い熱いと涙目になるAにファットガムは笑う
(…ほんま、可愛ぇえんやなぁ)
小さくて、弱々しい見た目なのに、意志は強く、優しい
(って…、あかん、そないなこと考えるな、自分！)
ぶんぶん首を振ってから、ファットガムは「あー…」と切り出した
「田畑ちゃん、元気かなと思って誘ったんや
環が出張やから」
正直に問うと、Aは目を丸くしてから目を伏せた
「元気ですよ
元気でいないと、環くんに申し訳ないですから」
ワントーン下がった声音
「でも」と、Aは顔を上げ、真っ直ぐにファットガムを見つめた
「信じてるんです、環くんのこと────」
その表情に、言葉に、ファットガムは目を見張った
(杞憂やった
俺が思ってるよりも、田畑ちゃんは強かった)
安堵して、「ほなら安心や、聞かせてくれておおきに」と笑顔を浮かべる
「さ、今日は沢山食べ！」
ファットガムがそう言った、そのとき
『臨時ニュースです
東京都……区で、夏目製薬会社に対する制圧任務が始まりました
現在……区ではプロヒーロー達が闘っています
夏目製薬会社や工場付近には、危険ですので近づかないように────』
天井に付けられたテレビのアナウンサーの声が響く
ファットガムが慌ててAの方を見やると────
Aは目を瞑り、手を祈るように合わせていた
その姿は儚くも、強く、美しく────まるで女神だった
(環…勝利の女神が祈っとるから
勝ってこい、必ず────！)
ファットガムは心の中でそう声援を送った────
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
