君色を瞳に映して【爆豪勝己】 (ページ10)

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転校してから何日か経った。
そして昨日、事件があったらしい。通称ヘドロ事件。

「うっわぁ、今日のカツキいつも以上に荒んでるんですけど。」

「触れぬ神に祟りなしだよ、乙音。」

「アイツ、神っていうかどっちかっていうと魔王じゃない？」

「あ〜、分かる。」

「テメェら黙れ。」

魔王ご立腹。

「昨日は随分大変だったみたいだね。」

あの日。私がこの学校に来た日以来、何かと彼は私に突っかかってくる。
例えばテストの結果とか。雄英目指してるだけあって、彼は頭が良い。
けど、私もそれなりの成績だと自負している。今の所、負けたことが無い。大抵満点同点か、微妙な差で私が勝っている。

私だって伊達に雄英を目指してる訳じゃないからね。

あぁ、テストと言えば。
乙音はなんと言うか…、こう、知識とか、そういった面で残念な頭をしていたことが分かった。

そう、つまり勉強が出来ない。

話が脱線したけれど、他には体育の時間とか。何かと勝負を持ちかけてくる。

言ってしまえば、負けたことは無い。
幼い頃からヒーロー目指してるからね。柔道、剣道、空手、太極拳………他にも色々と掻い摘んで嗜んできた。

そのせいか、ますます彼は私に敵対心を向ける結果となったのだ。

「お陰様でなァ。チッ、舐めプが俺の心配かよ。」

「あぁ、いや別に心配はしてないかな。」

「あァ？」

「えぇ？心配して欲しかったの？」

「うっせぇ、ピンクメッシュ！」

いやぁ、ピンクメッシュって。ネーミングセンスよ。君のネーミングセンスはどこへ行ったの。

「ピンクメッシュは無いわ。」

「それな。でもまぁ仕方ないよ、乙音。単純に名前を覚えきれないんだと思う。」

舐めプもその一環。

「るせぇ！！覚えてらァ！」

ツンデレか。女の子の名前を呼べないのか。ウブかこいつ。ごめん、それ全然萌えないわ。

「君、もうちょい女の子の扱い方改善した方がいいよ…？」

「テメェこそ、その君ってやつやめろや。」

ふむ。

名前で呼ばれたいのかな。

「…………………。」

「ねぇ、爆発くん。」

「テメェこそ俺の名前忘れてんじゃねぇ？」