君色を瞳に映して【爆豪勝己】 (ページ22)

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空は快晴！休日賛成！絶対安静！今日は出久くんとお散歩デート！

「うん、彩瀬さん僕は一体どこからツッコミを入れればいいのかな。響きの良い言葉並べようとしてるのかもしれないけれど、絶対安静なら寝てないとダメだしそもそもデートじゃないよ、今日はオールマイトにお話を聞きに行くんだよ。」

「あ、はい。」

今日は何と、オールマイトに直談判です。

「彩瀬さん今日どうかしたの。」

嘘です。オールマイトに直接取材に行きます。

「いやぁ、出久くんと休日にお出掛けって、何かテンション上がっちゃって……」

調べ学習で、私は出久くんとオールマイトについて調べようとしたんだけれど…
ネット上に載ってるものはほとんどみんなも知っているような基礎知識。
後はシークレット。個性すら公表していない。

私達は完全に詰んでしまったのだ。

だがしかし、なんとなんと。出久くんがオールマイトと奇跡的に出会い、奇跡的に直接お話を聞けるチャンスを得ることが出来たのです。

どうして出会えたのかとか、詳しい事ははぐらかされちゃったけれど、そんな事はどうでもいい。
あの憧れのオールマイトに！生で！会えるんです！

「楽しみすぎて昨日10時間しか寝てないよ！」

「十分寝てるね！むしろ普段どれだけ寝てるの？！」

「海浜公園……？ゴミめっちゃあるね。本当にここにオールマイトがいるの？」

「あまり、人目に付く所は避けた方がいいってさ。」

なるほど。

2人できょろきょろ辺りを見渡し、オールマイトを探す。が、それらしき姿は見当たらない。
出久くんは嘘をつくタイプには見えないが、半信半疑だったりもする。

ほんの少し。疑い始めたその時だった。

「私がァ…………………ッ！」

「オールッ」

「主人公さながら遅れて来たァ！！！！！」

お、

おーる、

「オールマイトだぁぁぁぁああああ！！！！」

えっ、待って。マジで？オールマイトのそっくりさんじゃなく？
オールマイト？

「やぁ、遅れてすまなかった。さっきまでヴィランとやり合っててね……。君が彩瀬少女だね？初めまして、よろしくね。」

そう言って右手を差し出した。
私は右手で手をぎゅっと握り返し、握手を交わす。

「お初にお目にかかります、彩瀬Aと申します！よろしくお願いします！」

尊敬の眼差しを向ければ、優しく頭を撫でてくれた。
いつぶりだろうか、この温もりは。