君色を瞳に映して【爆豪勝己】 (ページ17)

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「何それ。」

「ラーメンだろ。」

嘘だ、そんなラーメン知らない。マグマじゃん。めっちゃ真っ赤っかなんですけど。
絶対辛いじゃん。いつもそんなの食べてるの？舌が馬鹿になるよ？？

それに辛いものばっか食べてると生活習慣病とか、食中毒になりやすいんだよ、知ってる？

「テメェは何でヒーロー目指しとんだ。」

「君はいつも唐突だよね。うーん、何でって言われても……、周りがそう期待してくれてるから、その期待に沿わなきゃって。」

「馬鹿か。」

「少なくともカツキよりは成績良ふぐっ？！？！かっっっらァ！！は、ばっ、ちょっ、馬鹿馬鹿！辛い！」

急いでそばにあったコップを手に取り、水を飲む。
マグマ(以下略)を掬ったレンゲを口に突っ込まれた。
三途の川が見えた気がした。

「まぁ、最初はさ。フツーにヒーローに憧れて、夢見た訳なんですよ。けど、今となっちゃ本当にヒーローやりたいのか分かんないや。周りの目が、期待が、私には重すぎる。」

「実力持ってんだから、注目されんのはたりめぇだわ。」

「ははっ、カツキは強いねぇ。」

「テメェがよく言うわ。」

どうだろうね。私は君が思ってるほど、強くはない。

「カツキィ〜、ちょっと私のさぁ、愚痴聞いてくんない？」

「んだよ、酔っ払いの相手するほど暇じゃねーんだ。」

「呑んでません！！」

「……ったく、全部聞き流してやっから話してみろや。」

「ねぇ酷い。」

それでも別に良いんだけど。むしろ、その方がありがたいかもしれない。私の愚痴を聞いて、それについてうだうだ考えられちゃうのも、それはそれでめんどくさい。

まぁーね、それは無いよね。カツキだから。

この一言で済んじゃうカツキってある意味最強。

「私の家、母子家庭なんだ。」

「へぇ。」

「お父さん、私が小さい頃に家出て行っちゃってね。」

「んでだよ。」

「さぁ？詳しい事は聞かされてないけど、お父さんよーく不倫騒動起こしてたの。お母さん、元々体弱いのに全く家に帰って来ないし。放ったらかし。珍しく家にいると思ったら酒ばっか呑んでるし。」

「最低野郎じゃねェか。」

「でしょー？私ね、小さい頃お母さんに、どうしてお父さんと結婚したのか聞いたの。」

「それで？」

イケメンで収入良かったからよ、ってさ。

「うわ。」

子供心ながらに最低だと思った。