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「ただいま。」
誰もいない家の玄関に、私の声だけが響いた。
おかえり、なんて言ってくれる人はいないことなんて分かりきってるのに。
ずっと言い続けてた癖が未だに抜けない。
靴を脱ぎ、向きを揃えて手を洗いに洗面所に向かう。
「ひっどい顔……。」
最近は夢に魘されることが多く、よく眠れない。そのせいか、クマがくっきりと目の下に現れている。
どうして、こんなにも私の人生は狂ってしまったんだっけ。
あの時は理不尽な不幸にただただ嘆いていた。
けど、違ったんだ。
何故？
答えは全部、私のせい。
弱虫な私のせい。
この個性を使うには、私はまだ幼すぎたんだ。
雄英高校に通用しても、社会には通用しないんだ。
合格したからって、何舞いあがっていたんだろう。
そんな雑念を洗い流すように、私は顔を洗った。
そんな時、携帯の着信音がポケットから鳴った。
私はバスタオルで顔と手を拭き、携帯の画面を見る。
そこに表示されたいたのは、例の、爆豪勝己からの連絡の通知だった。
明日の朝6時学校集合。
それだけが書かれていた。
「事務連絡だけにしても、これは短すぎでしょ…。」
思わず苦笑が零れた。
了解
その2文字を打ち込み、送信ボタンを押す。
送信完了されたことを確認し、携帯を机に置いて財布を取り出す。
「今日の夕ご飯、何にしようかなぁ…。」
誰からも返答が返ってこない。そんなの分かりきってる。でも、寂しく感じてしまう。
温かかったリビングルームが、一段と冷えたように感じる。
キュッと口元を閉じ、財布とカバンを手に、また家を出る。
心にぽっかり、穴が空いたようだ。
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成瀬こよみ(プロフ) - 環さん» ありがとうございます、そう言っていただけるととても嬉しいです♪自分ではまだまだだなと思っているので、これから頑張っていきたいと思っています。 (2018年7月21日 8時) (
レス) id: eb04c0a943 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵な作品でした…(*^^*) (2018年7月21日 7時) (レス) id: ad05dfba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：成瀬こよみ | 作成日時：2018年7月9日 21時
