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「……！」
押し付けられた胸から、分厚い練習着越しでも伝わってくる鼓動。
真っ赤に染まった頬から、火傷しそうなくらいに伝わってくる熱。
その慣れない感覚に、Aは思わず自分を掴む手を振り払う。
TH「分かった……でしょ？」
伏し目がちにこちらを見て、テヒョンはそう問いかけた。
いつもは飄々としていて何を考えているか分からない男相手でも、今だけは全てが手に取るように分かる。
敏いAであれば、尚のこと。
――テヒョンが、自分を好きだという事くらい。
「……なん、で。テヒョン、」
TH「なんで……だろうね。僕にも分からないや」
Aが悟った事に気付いても、テヒョンは恥ずかしがることなく、むしろどこか安堵しているかのような表情を浮かべた。
TH「最初はただ、Aという人間に興味が湧いて。
色んな時間を一緒に過ごしていくうちに、Aの事を知っていって。
気が付いたら、Aを目で追う自分がいて。
楽しそうにしているAを見ると嬉しくて、悩んでいると放っておけなくて。
自分じゃない誰かと楽しそうにしていると、何だかもやもやして。
Aは“女”が好きって痛感するほど、苦しくなって。
……いつの間にか、すごく“好き”になってた」
テヒョンは記憶を回顧するように、どこか遠くを見つめて言った。
TH「でも、なんでって聞かれると分からない。
……だって、ただただ“好き”だから」
そう言って、目を細めて笑うテヒョン。
その表情はどこまでも優しく、そしてどこまでも切なげだった。
――“本当の自分の姿に、気付いていない”。
ふと、またそんな言葉がAの脳裏に過った。
(僕は……菅野Aの姿は……女の体をした、男の心を持つ人間。
女の子が“好き”な、女の子。
本当の僕は、男の子。
それが、本当の姿じゃ……)
――ズキリ。
突然、後頭部に妙な痛みが走った。
激痛とも言い難い、柔い痛み。
そして同時に浮かんでくる、忘れていた、否、塞ぎこんできた記憶が蘇る。
……―― “どうして？ どうして、あの子が！”
……――“あなたがいないのに、どう生きろっていうの……っ！”
TH「僕は、Aが好きだよ。
たとえ心が男でも、女でも。
Aという人間が、僕は……」
そんな告白さえ、今のAには遠い呟きにしか聞こえなかった。
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グミカン(プロフ) - noenunaさん» noenunaさん、コメントありがとうございます。。 そう言ってくださる方がいて、作者心底ほっとしております!! なにせ趣向が偏りがちの作品で……。笑 もう少しですが、完結するまで頑張りますので、どうかお付き合いいただけると幸いです。。 (2020年1月3日 22時) (
レス) id: bc74e0fc10 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - こんにちは。連載当初から読ませて頂いておりましたが、この章の展開にはたまらずコメント残させて頂きました。本当に素敵なお話で読むたびに胸が熱くなります。今後も陰ながら応援しています。どうかお身体にお気をつけて下さい。更新を心から楽しみにしております！ (2020年1月3日 16時) (レス) id: e077cb6cb1 (このIDを非表示/違反報告)
グミカン(プロフ) - ポンポネッラさん» ポンポネッラさん〜!! 毎回コメントありがとうございます。。更新滞ったりしていて申し訳ないですが、こうやって読んでくださる方がいるおかげで頑張れます〜！ あの残り短いですが、みんなの恋がどうなっていくのか、見守ってあげてくださると嬉しいです。。 (2019年12月21日 16時) (レス) id: bc74e0fc10 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 続編おめでとうございます！ 遂に恋心を自覚したメンバーが.......！ これからどうこの恋が動き出すのか私もドキドキワクワクしています。グミカンさん、更新頑張ってください！ (2019年12月16日 14時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年12月16日 0時
