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TH「……レン、どんだけ余裕なの」
テヒョンの口調は、自然と棘を帯びていた。
TH(僕はAがミナと付き合ってから、嫉妬で頭がおかしくなりそうだっていうのに)
「余裕？ そんなことないよ。
僕はどうして普通にできないんだろうって、そんな事ばかり考えて。自分が嫌になる」
膝の間に頭を埋めて、Aは弱々しくそう言った。
TH「普通って？」
訳が分からずそう尋ねると、Aは少しだけ間を置いてから躊躇いがちに答えた。
「ミナのことが放っておけなくて……守ってあげたくて……。
でも、それ以上の望みなんてない。
僕はただ、ミナが元気に生きていれば、それで……」
TH「なに、それ？ お人よしにも、程があるよ」
――自分は、こんなにも目の前の人間が欲しくて、狂おしく想っているというのに。
Aが信じられない言葉を口にするたびに、自分の中の抑え付けていた欲を痛感してしまう。
テヒョンはまるで自分がひどくはしたなく、とんでもなく惨めに思えた。
TH「Aにとってミナはなんなの？
恋人同士なら、お互いに望むものがあって、存在意義があって。
触れたり、キスしたりして、出てくる感情もあったんじゃないの？」
するとAは、まるで嘲笑うかのような乾いた笑声を零した。
「キス、か……。できなかった。僕には。
好きなら、好きと言ってほしいって。
言えないなら、せめてキスして伝えてほしいって。
ミナにせがまれたけど……。
僕には、できなかった」
――“キスと好きの感情がどう同じなのか、僕には分からないんだ”。
Aはそう言って、切なげに眉を寄せた。
TH「同じ、だよ……」
「分かんないよ。僕には、さっぱり」
TH「じゃあ、教えてあげよっか？」
テヒョンの言葉に、Aがぱっと顔を上げた。
TH「僕には辛いほど分かるから……その気持ちが」
目を丸めるAの腕を、テヒョンがゆっくりと掴み取る。
そして、目の前の白い頬にそっと顔を近付け……――
――小さなリップ音が、静かなスタジオに木霊した。
そのまま掴んだAの右の手の平を、テヒョンは自分の胸に押し当てる。
そして残りの片方は、熱く火照った自分の顔に。
TH「恥ずかしいくらいドキドキしてて、顔中こんなに熱くて……。
放っておけなくて、守りたくて、振り向いてほしくて。
そう狂おしく想う時と同じように。
キスしたら、こうなっちゃうんだよ。
だって……“好き”、だから」
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グミカン(プロフ) - noenunaさん» noenunaさん、コメントありがとうございます。。 そう言ってくださる方がいて、作者心底ほっとしております!! なにせ趣向が偏りがちの作品で……。笑 もう少しですが、完結するまで頑張りますので、どうかお付き合いいただけると幸いです。。 (2020年1月3日 22時) (
レス) id: bc74e0fc10 (このIDを非表示/違反報告)
noenuna - こんにちは。連載当初から読ませて頂いておりましたが、この章の展開にはたまらずコメント残させて頂きました。本当に素敵なお話で読むたびに胸が熱くなります。今後も陰ながら応援しています。どうかお身体にお気をつけて下さい。更新を心から楽しみにしております！ (2020年1月3日 16時) (レス) id: e077cb6cb1 (このIDを非表示/違反報告)
グミカン(プロフ) - ポンポネッラさん» ポンポネッラさん〜!! 毎回コメントありがとうございます。。更新滞ったりしていて申し訳ないですが、こうやって読んでくださる方がいるおかげで頑張れます〜！ あの残り短いですが、みんなの恋がどうなっていくのか、見守ってあげてくださると嬉しいです。。 (2019年12月21日 16時) (レス) id: bc74e0fc10 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 続編おめでとうございます！ 遂に恋心を自覚したメンバーが.......！ これからどうこの恋が動き出すのか私もドキドキワクワクしています。グミカンさん、更新頑張ってください！ (2019年12月16日 14時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年12月16日 0時
