3. 原点回帰 ページ10
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「レン君……これ、本当にあなた？」
「はい……。びっくりしましたか？」
昔の自分の写真を片手に“天使の微笑み”を浮かべるA。
その表情に、女性は驚いて目を見開いた。
今まで通り優しく、儚く、見る者すべてを魅了するような微笑みだが、以前まであった“切なさ”はどことなく薄れ、より輝きを増した“天使の微笑み”。
少しだけ肩の荷が降りた感じがするのだ。
何か良い事でもあったのだろうか、と女性は思う。
「びっくりしたっていうか……その、私が知ってるレン君と全然違うから」
「ははっ。そうですよね」
「でも……本当にいいの？」
女性は周囲を気にしながら、小声でそう問いかける。
するとAは微笑みを浮かべたまま、しっかりと頷いた。
「大丈夫です。もう、決めたことなので」
――僕は、僕らしく未来を歩く。
そう、君に誓った。
だからこれで本当に、すべてを断ち切ろう。
***
「社内を走り回って、勝手に鍵を持ち出して、勝手に非常口を開けて、会社の入り口前で暴れて……――」
くどくどとそう漏らすパン・シヒョクの前で、８人の少年たちはただ沈黙していた。
「君たちはBTSのメンバーだぞ？ 業界にいる身だぞ？ 自覚は、あるのか？」
まるで怒りを抑えるかのように声を震わせるシヒョクに、８人は小さく「デ、」と返す。
「……ったく。もう“ただの”子供じゃないんだ。少しは行動を慎んでくれ」
まさかここまで怒られることになるとは思わなかったテヒョン以外のメンバーは、恨めしむようにAを見る。
するとそれに気付いたシヒョクが、まるで「他人のせいにするな」と言うように大きく咳払いした。
「それにしても、レン」
「……はい」
ふいに名を差され、ついに来たか、と肩を竦めるA。
「なんだ……それは」
シヒョクは言いながら、Aの頭部を訝し気に凝視する。
「私はスタイリストに“レンの髪を切れ”と言ったはずなんだが」
するとAは少しだけ躊躇した後、やがて覚悟を決めるようにまっすぐシヒョクを見た。
「すみません、シヒョク代表。
僕は、やはりどう頑張っても“男らしく”はなれません。
確かに僕の心は“男”ですが、体は“女”です。
僕はずっとその狭間で、どちらか片方を捨てなければならないと自分に言い聞かせてきました。
ですが……本当の僕は、その狭間にいる“僕”なんです。
だからもう、無理に“男らしい”自分を演じることは、できません」
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グミカン(プロフ) - ポンポネッラさん» ポンポネッラさん〜!! 今回もありがとうございます…!! 主人公色々吹っ切れちゃいましたが、そんな彼（彼女）に一体これからメンバーたちはどう思うんでしょうか……!! たぶん作者の趣向的に一筋縄ではいかないと思いますが(笑)、今後も楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2019年11月12日 18時) (
レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
グミカン(プロフ) - 閔さん» コメントありがとうございます〜!! 最初からお付き合い頂いているということで……!! めちゃくちゃ嬉しいです……!! これからも読んで頂けるよう、更新頑張りますね。。ありがとうございます!! (2019年11月12日 18時) (レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 続編作成おめでとうございます〜！ おっと……？もしやここにてメンバー達の恋愛感情に少し変化が……？！何だか怪しい展開ですね (wkwk) 今後もドキドキしながら読ませてもらいます。更新頑張ってください！ (2019年11月11日 10時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - 4章にもなって初めてのコメントですが...今までずっと読ませていただいていました。自分的には1章が出されてすぐ見ていた気もしますが......いてもたってもいられず、コメントしました。すごく魅力的なお話で大好きです！これからも頑張ってください。応援してます！ (2019年11月10日 19時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年11月10日 19時
