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「……はぁ」
洗面所で手を洗いながら、Aは鏡に映る青ざめた自分の顔を眺めていた。
(薬が、効いてない……)
連日の疲れと、サイクルの乱れた生活がたたっているのが一番の原因だ。
だがいくらまともな生活をしていたとしても、“女”の体である以上は避けられないものがある。
腹部から伝わる鈍痛に、Aは顔を歪めた。
せめて、メンバーやファンのいる前ではいつも通りにしなければならない。
Aは痛みを忘れるように思考を切り替え、鏡の前で微笑みを作る。
ふと、洗面台の端に何かが見えた。
よく見れみれば、女物のお洒落な柄のポーチだった。
……誰かの忘れ物だろうか。
誰かがこれを取りに戻ってくるかもしれない。
ならば、早くここから離れるべきだ。
Aはそう思い、すぐにハンカチで手を拭く。
だが、その時。
?「えっと……確かトイレに……」
見知らぬ少女が、トイレに入ってきた。
驚きと危機感で、硬直するA。
少女も人の気配に気付いたのか、ゆっくりとこちらに顔を向ける。
そして、二人の視線が重なった。
?「え……え……！？ なん、で……！？」
驚きのあまり、少女は口をぱくぱくさせている。
するとトイレの外から、またもや新たな少女の声が届いた。
「オンニ〜まだ〜？」
カツカツと近づくヒールの音。
……これはかなりまずい。
Aは唖然と固まる少女を見て、こうなったら仕方がない、と咄嗟に少女の腕を掴んだ。
?「きゃっ！？」
トイレの個室に少女を連れ込み、上がりかけた悲鳴を抑え込むように、その口を手で覆う。
かなり雑な行為ではあったが、Aはとにかく危機を回避することで頭がいっぱいだった。
驚きと恐怖で目を見開く少女をよそに、個室の鍵をかける。
「……ごめん。しばらく、大人しくしてて」
背丈の低い少女は、真上にある真剣なAの顔を見てこくこくと首を振った。
「ここにいるんでしょ〜？ ミナオンニ〜？」
先程の声が、トイレの中で静かに木霊する。
しん、と静まり返る室内に、声の主は「変だな」と呟いた。
「入れ違っちゃったのかな……」
声の主は、そう零した。
やがて、ヒールの音がコツコツと遠のいて行く。
そしてしばしの沈黙の後、Aはようやく少女の口を解放した。
?「……はぁっ、……は、」
途端、荒い呼吸を繰り返す少女。
Aは、そんなにキツかったかな、と先ほどまで少女の口を押えていた手を見た。
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グミカン(プロフ) - ポンポネッラさん» ポンポネッラさん〜!! 今回もありがとうございます…!! 主人公色々吹っ切れちゃいましたが、そんな彼（彼女）に一体これからメンバーたちはどう思うんでしょうか……!! たぶん作者の趣向的に一筋縄ではいかないと思いますが(笑)、今後も楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2019年11月12日 18時) (
レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
グミカン(プロフ) - 閔さん» コメントありがとうございます〜!! 最初からお付き合い頂いているということで……!! めちゃくちゃ嬉しいです……!! これからも読んで頂けるよう、更新頑張りますね。。ありがとうございます!! (2019年11月12日 18時) (レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 続編作成おめでとうございます〜！ おっと……？もしやここにてメンバー達の恋愛感情に少し変化が……？！何だか怪しい展開ですね (wkwk) 今後もドキドキしながら読ませてもらいます。更新頑張ってください！ (2019年11月11日 10時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - 4章にもなって初めてのコメントですが...今までずっと読ませていただいていました。自分的には1章が出されてすぐ見ていた気もしますが......いてもたってもいられず、コメントしました。すごく魅力的なお話で大好きです！これからも頑張ってください。応援してます！ (2019年11月10日 19時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年11月10日 19時
