第２章 恋をして、知る ページ24
第2章 恋をして、知る
ダンスを前面に押し出した新作ＭＶ『Dope』は、前作に引き続き大きな話題を呼んだ。
ワールドツアーも大盛況の中、『Dope』はＢＴＳ初となるビルボードチャートインを果たし、もはや“公演型”と呼ばれた過去は薄れつつある。
日本での活動も徐々に広がりを見せ、特にSummer Sonicへの出演は、彼等にとって大きな一歩となった。
そんなある日、ＢＴＳは韓国で握手会を行っていた。
「レン〜！ どんどんかっこよくなっていくから、毎日どきどきして大変だよ〜！」
ファンの女の子が、Aを前にそう言いながら真っ赤になった顔を仰ぐ。
以前はAに対して冷たい反応を示すファンが多かったが、今では誰一人そんなそぶりを見せなくなった。
手の平を返すように甘い声でこびるファンに、Aは嫌な顔ひとつせず誠意を込めて対応する。
Aにとっては、すべてが有り難いことに思えた。
「でも、どうして急に雰囲気変わったの？
髪型とかもそうだけど……なんか、“本当の自分を取り戻した”って感じがする」
「本当の自分？」
「そう！ なんか、殻が破れたみたい！」
嬉しそうに言う女の子に、Aはふわりと“天使の微笑み”を浮かべた。
「ぜんぶ、ＡＲＭＹのおかげだよ」
そう言うと、女の子ははっと息を止めてみるみる顔を赤くした。
せっかく冷ましたばかりだというのに、Aは罪な人間である。
(……未練が吹っ切れたから、なんて、絶対に言えないな)
もう耐えられない、とばかりに隣へと移動する女の子を見つめながら、Aは思う。
女が女に恋をしていた、ということもあるが、そもそも彼は“男”としてグループにいる以上、ファンを悲しませるようなことは言えない。
清華の存在は、思い出として心の奥に仕舞っておかねばならないのだ。
――咲夜はまだ自分の本当の姿に気付いてない。
ふと、いつだったか清華に言われた言葉が脳裏をよぎった。
(……自分の本当の姿、って)
ファンや自分からすれば、今の自分が“本当の姿”だと、そう思う。
けれども清華の言葉が、なぜだか今でも引っかかったままだ。
(本当の姿って、清華と恋人になる前の僕だと思ってたけど……)
今ははっきりと、あの頃の自分らしい自分であると言える。
それなのに、この胸の引っ掛かりは、一体。
(分からない……僕には、まだ)
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グミカン(プロフ) - ポンポネッラさん» ポンポネッラさん〜!! 今回もありがとうございます…!! 主人公色々吹っ切れちゃいましたが、そんな彼（彼女）に一体これからメンバーたちはどう思うんでしょうか……!! たぶん作者の趣向的に一筋縄ではいかないと思いますが(笑)、今後も楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2019年11月12日 18時) (
レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
グミカン(プロフ) - 閔さん» コメントありがとうございます〜!! 最初からお付き合い頂いているということで……!! めちゃくちゃ嬉しいです……!! これからも読んで頂けるよう、更新頑張りますね。。ありがとうございます!! (2019年11月12日 18時) (レス) id: 0414f38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - 続編作成おめでとうございます〜！ おっと……？もしやここにてメンバー達の恋愛感情に少し変化が……？！何だか怪しい展開ですね (wkwk) 今後もドキドキしながら読ませてもらいます。更新頑張ってください！ (2019年11月11日 10時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - 4章にもなって初めてのコメントですが...今までずっと読ませていただいていました。自分的には1章が出されてすぐ見ていた気もしますが......いてもたってもいられず、コメントしました。すごく魅力的なお話で大好きです！これからも頑張ってください。応援してます！ (2019年11月10日 19時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年11月10日 19時
