第３章 立ち位置 ページ34
第3章 立ち位置
12月17日。
この日、遂に防弾少年団のリーダー、ナムジュンの存在が、『RM="ラップモンスター"』として公式ブログにて公開された。
JH「ナムジュン！ すごいじゃん、物凄い反響だよ！」
ブログのコメント欄に次々と送られてくる歓迎のメッセージに、ホソクはまるで自分のことのように喜んでいた。
RM「……まじでよかった。昨日は不安で眠れなかったけど、今日は安心して眠れそうだ」
韓国グループではよくある、デビュー前に話題を作っておいて、デビュー決定後にメンバーを徐々に発表していくという流れ。
メンバーの中で一番名の知れていたナムジュンは、トップバッターとしてのプレッシャーを抱えていたらしい。
そう言って欠伸を零すあたり、意外と臆病なところもあるんだなぁ、とホソクは思う。
RM「恐らく次にジニヒョン、その次にホソギとユンギヒョンが発表される流れかな」
JH「ま、ジニヒョンはビジュアル的に関心を寄せるためだとして、確かに俺ら既に『八道江山』として知られてるし、隠しておく意味ないもんな」
当時既にラップモンスターとしてプロジェクトの筆頭に立っていたナムジュン、オーディションで驚異のラップセンスを発揮して知名度を上げたシュガ、そしてダンス界の申し子的な扱いで地方から現れたホソク。
彼等のデビューは、周囲も分かっていることだろう。
JH「問題は……Aだよなぁ」
ホソクはそう呟き、小さく溜息を吐いた。
RM「そう言えば代表、テヒョナはシークレットメンバーとしてデビュー日直前まで非公開にするとか言ってたけど、Aについては言及しなかったな」
JH「やっぱり代表、あいつをボーイズグループでデビューさせるのが怖くなったんじゃない？」
RM「う〜ん……」
ナムジュンは昨日の招集時の代表を思い出しながら、いやいや、とかぶりを振った。
RM「そんな感じじゃなかったけど……ただ」
JH「ただ？」
RM「招集の後、代表に言われてAだけ残ったじゃん？」
JH「そう言えばそうだったっけ」
RM「で、しばらくして帰ってきたAが、なんか少しだけ暗く見えたんだよね」
JH「え？ ……いやいや、いつも通り"微笑"してたじゃん」
ホソクは昨夜のAの様子を思い浮かべ、首を傾げる。
何を言っても爽やかな微笑みで爽やかに受け流されたし、毎度の如く周囲が餓鬼に見えるくらいの落ち着きようだったけど。
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
