13. Side ジミン ページ30
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12月。
代表に呼び出された８人の少年達は、そこでようやく待ちに待った瞬間を迎える。
「お前たち……８人は、今日から正式に防弾少年団のメンバーとなる」
パン・シヒョクの言葉に、８人の個性豊かな少年たちは一斉に目を丸めた。
JM(僕が……デビューできる……！)
比較的遅い段階で練習生となったジミンは、半ば信じがたい気持ちでシヒョクの言葉に耳を傾けた。
「デビューは来年春を予定している。まだ公表は先になるから、人には言わないように」
シヒョクは順を追ってデビュー確定組を匂わせつつ、春までに確定メンバーを知らせると言う。
「だがデビューが決まったからと言って気は抜くなよ。この"防弾少年団プロジェクト"は、我が社の未来を背負う一大事業だ。
どのアイドルよりもかっこいいグループになるという信念を持って、これからも練習に取り組んでくれ」
その言葉に、ジミンはごくりと唾を飲み込んだ。
自分はまだコレという強みを持っていない。
ずっとそう思っていたジミンは、圧し掛かる期待に尋常ではないプレッシャーを感じるのであった。
***
数日後。
夜も深くなった頃、ジミンは一人スタジオで汗を流していた。
JM(もっと……もっと努力しないと)
"防弾少年団プロジェクト"に参加してから、ジミンは度々自信を失うことがあった。
幼少期からダンスを極め、その手で有名な大学に首席で合格し、周囲から称賛を浴びてきたジミン。
だが、K-POPの世界を目指すようになってからは、自分以上に才能と魅力に溢れた人間を何人も見てきた。
ダンスの技術では自分以上の、いや、K-POP界でも抜きん出た実力を持ち、ラップまでこなしてしまうホソク。
特に輝かしい経歴を持って居るわけでもないのに、ダンスや歌など、多方面で恐ろしいほどの吸収力と才能を発揮するジョングク。
それだけではない。
親友のテヒョンは、経験が浅いながらも、その端麗なビジュアルと意外と何でも器用にこなしてしまう性質で、もはや見掛け倒しではなくなった。
それこそ経験も浅く、ダンスが苦手だというジンは、万人受けするビジュアルの良さとスタイルの良さで、技術面をカバーできているし、かと言って努力を怠っているわけではない。
ナムジュンやユンギは、天性といっても過言ではないラップと音楽の才能を発揮し、既に唯一無二の存在だ。
そして……
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
